父の私室のドアを勢いよく開けたナウシカの目に飛び込んできたのは、
床に横たわる父と、それを取り囲む数人の兵士の姿だった。

ジルを殺害した辺境を転戦するトルメキアの兵士たちにとって、
私室に飛び込んできた栗色の髪の少女が
悲しみと怒りの感情を示すところまではいつも見慣れたリアクションだった。
だが後に続くこの少女の反応は、これまで彼らが遭遇したどの状況とも異なっていた。
驚愕、悲しみを浮かべたナウシカの瞳は、瞬く間に激しい憤激に満たされていく。
髪は逆立ち、全身が怒りに満たされる。
「おのれえ!!」部屋全体が震えるほどの叫び声をあげると、
ナウシカは風使いの杖1本でトルメキア兵に向かって突進していった。

トルメキア兵たちは、まさか5人もいる自分たちの姿を見て恐れることなく
小娘がたった1人で、しかもただの杖を持って向かって来るとは
まったく予想外の出来事であった。
完全に不意をつかれた形になったが,
彼らとて辺境の地を転戦しているトルメキアのコマンド兵。
直ちに心身を迎撃モードに切り替える。

だが兵士らは自分の目を疑った。
彼らがこれまでに遭遇したどんな敵より素早いのだ。
実際に間近で少女と相対している兵士らの網膜には、
ほとんど青い影しか残っていなかった。
その素早い動きをかろうじて追い、
打ち込まれる激しい杖の一撃から身を守ろうとするのが精一杯だった。

「エエッ!!」
ナウシカの鋭い叫び声と共に振り下ろされる一撃は、確実に敵の急所に叩き込まれる。
瞬く間に3人の兵士が床にたたきつけられ、動かなくなる。
それまで一歩引いたところで傍観していたクロトワだったが、
剣を抜き、ナウシカに打ちかかる。
だが、“次なる敵”としてはっきり認識され、
杖を振りかざして猛烈な勢いで突進してくるナウシカに恐怖する。
ついさっき部屋に入って来たときには、単なる小娘に過ぎなかったのに、
今自分に向かって来る様は、まるで猛り狂う猛獣のようだ。
「ヒィッ!」
思わず恐怖に声をもらしてしまう。
体が硬直し、完全に萎縮してしまった。

そしてあっという間に剣を根元からたたき折られ、
その勢いで壁に頭をしたたか打ちつけ,あっけなく気絶してしまう。
参謀のクロトワなど、ナウシカにとっては物の数ではなかったのだ。

だが、最後に残る5人目の兵士は猛者中の猛者だった。
彼はナウシカの素早い動きについていき、
しかも腕力にものを言わせて攻撃を仕掛けていく。
しかし何合目かの後、ナウシカの振り下ろす強烈な杖が打ち込まれる。
こうして、瞬く間にクロトワを含む5人の兵が打ち倒されてしまう。
なんと、屈強の兵士らはほとんど一撃で撲殺されていたのだ。
-ただ1人、気絶させられた参謀クロトワを除いては-

後に、よりによってこのクロトワという人物が生き延びてしまったことで
自分の身体にどれほどのことが臨むのか、
この時のナウシカには未だ知る由もなかった。
その後、部屋に入ってきたユパによってその場は収められた。
ユパは気絶してしまったナウシカを抱きかかえ、
クシャナに促され、隣にある応接の間に入った。
クシャナは一緒に入って来た兵士らに部屋から出るよう命じ、
部屋にはクシャナとユパ、ナウシカの3人だけになった。
その場での話の内容は以下の通りであった。

・トルメキア側は、これ以上風の谷の人、物、いかなるものにも一切危害を加えない
・外敵がこの地に攻めて来た場合、トルメキアは風の谷を守るためにこれを全力で阻止する

そしてトルメキアが風の谷の安全を約束するのと引き換えに、
・もはや運ぶことのできない巨神兵をこの地で復活させる。風の谷はそのために必要なあらゆる協力をすること
・巨神兵復活作業が終了するまでの間、ナウシカはトルメキアの船内に人質として留まること

最後の条項を耳にしてユパは「やはり」と思い、心臓が高鳴った。
ユパは各地を旅して、
戦地におけるトルメキア兵の性的暴行がいかに酷いものであるか伝え聞いていた。
ユパは動揺を悟られぬよう感情を押し殺し、言った。
「ナウシカ1人じゃ、寂しかろう。ワシも一緒に人質として船に入ろう」

先ほどの戦闘の際、1人の兵がクシャナに、「この男、ユパです」と耳打ちし、
クシャナも自分のことを、「辺境一の剣士」かと聞いてきた。
(ならば、ワシも船内に閉じ込めておいた方がトルメキア側にとっては有利なはず)
ユパはそう考えていた。

クシャナは、「ほう、そなた自ら進んで我が船に乗りたいのか」
とニヤリと笑い、言った。「よかろう」

ユパは、「こちらから1つだけ要求がある。
いついかなる時もこの子とワシを一緒にして、決して引き離さないと約束してくれ。
それさえ約束してくれれば、ワシもおとなしく人質になろう」と言った。

表面的な言葉のやり取りはともかく、ユパという人物を労せずして
ナウシカと共に船内に閉じ込めておくことができる。
「よかろう、約束する。お前とこの娘は決して引き離さない。
巨神兵が復活し、2人そろって下船する日まで一緒にいさせてやる」
(ナウシカの身はワシが命に代えても必ず守る!)ユパは心に誓った。

谷に展開するトルメキアの兵力だけを考えても、
風の谷の側には、彼らの要求を呑む以外選択の余地はなかった。
目を覚ましたナウシカに、ユパはクシャナと交わした話を伝えた。
「分かりました。谷のみんなには私から説明します。
大丈夫、きっとみんな分かってくれます」ナウシカは力強く答えた。
武装解除させられて城の前に集められた風の谷の人々の前で、
黄金の鎧と白いマントに身を包んだクシャナが戦車の上に立ち、
族長の娘であるナウシカがその装甲車の下に連れてこられる。
それは、この地がトルメキアによって屈服させられてしまったことを
はっきり象徴する光景だった。

谷の全員が見守る中、ユパとナウシカはトルメキアの船の中に連れて行かれる。
谷の人々は皆心からナウシカとユパの身を案じ、
一様に悲しみに沈んでおり、すすり泣きがそこここで聞こえた。

不本意この上ないことだが、自分たちがトルメキア兵に協力していれば、
船内に人質になっている間、お二人はきっと無事だ、
谷の人々はそう信じていた。
ところが-
谷の人々の希望を裏切る卑劣な蛮行は早々とその日から始まったのである。

船内に入ったユパとナウシカは先導する兵士に促されるまま牢屋の中に入った。
2人が中に入ると、扉のカギが掛けられる。

谷の人々もナウシカも、悲しみと不安でいっぱいだったが、ユパは違った。
実は、ユパは外套の下に剣を2本持ったままだったのだ。
剣をもったまま船内に入り、今また牢の中に入ることができた。
「辺境一の剣士」と周辺国に轟くユパの武勇伝は挙げればキリがないが、
単身敵船に乗り込み、その船を掌握したことがこれまでに2度あった。
ユパは兵に見つからないように、そっと外套の下の剣をナウシカにも見せた。
(剣さえあれば・・・ナウシカは必ずワシが守る!)
ユパは改めて自分に言い聞かせる。

牢の内部は、これが船内に設けられたものとは思えないほど広々としており、
隅にベッドが2つ並んでいた。
ユパはゆっくりとベッドに腰を下ろし、うつむいているフリをして
自分の置かれている状況を把握する。
通路には番兵が2人、長い剣を携えて立っている。
牢内に拷問用の道具や拘束具の類がないのを確認し、ひとまず安堵する。

「さてどうするか・・・」ユパが今後のことを考えていると、
しばらくして通路の向こう側が騒がしくなってきた。
兵士らのやりとりに耳を澄ますと、どうやら谷の者たちが
2人に食事を届けさせるよう頼んでいるらしい。
ユパは伝令の声に耳をそばだてる。

「よかろう、乗艦を許可する。
ただし食事を運ぶために乗艦できるのは、5才以下の子供だけだ。
それ以外は認めん!」
ハッチ越しに谷の者に伝える声がかすかに聞こえた。
しばらくして軍靴が響き、牢屋に近づいてくる。

やがて兵士らに連れられて、食事と飲み物を手にした3人の子供たちが姿を見せる。
いずれもナウシカのことを「ひめねえさま」といつも慕っている子供たちだ。
不安そうな表情をしていた子供たちも、ナウシカを見つけるとパッと表情が晴れた。

しかしトルメキア兵たちは非常に用心深く、少しの隙も作らない。
牢屋の扉を開き、食事を中の2人に渡したのは兵士たちで、しかもその間
ナウシカ、ユパと子供たちは、鉄格子を挟んで十分の距離をとらされる。
牢の中にいた兵士らが全員退去し、再び扉の鍵が掛けられた後、
ようやくナウシカと子供たちは鉄格子越しに近づくことを許される。

ついさっき別れたばかりなのに、久しぶりに再開するかのように
ナウシカと子供たちは手と手を取り合った。
ユパもニコニコしながら手を伸ばし、子供たちの頭をなでてやる。
ひとしきり子供たちとの再会を楽しんだ後、
そろそろお母さんの処に戻るようナウシカが子供たちを促す。
「お姉さんの言う通りだよ、さあ行こう」
1人の兵士がいとも優しく子供たちに声をかけ、
名残惜しそうにしている子供たちの手をそっと取り、ナウシカから引き離す。

(この分なら、最後までおとなしくしていれば、
ナウシカもワシも無事に下船できそうだ・・・)
子供たちに対する扱い方を見て幾分楽観的になりかけたユパは、
次の瞬間自分の目を疑う。

ナウシカから子供たちを引き離した兵士は出口に向かうのではなく、
鉄格子の向かい側の壁に設置されているベンチに子供たちを座らせると、
慣れた手つきで子供たちを鎖で拘束し始めたのだ。

子供たちは、兵士がにこやかな表情のまま
自分たちにしていることの意味が分からず、きょとんとしている。
状況がよく飲み込めていないのはナウシカも同様だった。
子供たちが少しも痛がったり怖がったりする素振りを見せていないのは
せめてもの救いだったが、子供たちを鎖で縛るなど尋常なことではない。

「あなたたち何をしているの!今すぐ子供たちを放-」
ナウシカが言い終わらないうちに、兵士らの意図を悟ったユパが叫ぶ。
「貴様ら約束が違うぞ! ワシを殺して気が済むならこのワシを殺せ!」
ナウシカは驚いて言葉を引っ込め、ユパの顔を覗き込む。
こんな表情のユパを見たのは生まれて初めてだった。

そんなユパの言葉を気に留めることもなく、子供たちを固定した兵士が優しく言う。
「痛いところはないかい? お姉さんのことをよく見ているんだよ、いいね。」
子供たちはわけも分からずうなずく。
ついに兵士らがその本性を現し始めたのだ。

「ユパ様、これは一体・・・」
未だに状況がつかめないナウシカは、鉄格子を握りしめ荒い息をしているユパに問う。
ユパはガックリとうなだれ、しぼりだすような声で言う。
「すまんナウシカ、まさかこんな形で人質をとられるとは!
・・・このユパ・ミラルダ、一生の不覚だ。」

やがてユパは気を取り直し、両手をナウシカの肩に置いた。
そして彼女の目をしっかり見つめながら言った。
「よいか、ナウシカ。ジル亡き今、そなたがこの風の谷の長だ。
それを忘れるな。」
そう言うと、ナウシカをしっかりと抱きしめる。

ナウシカはトルメキア兵の意図を未だ分かりかねていた。
だが、先ほどからのユパの言動から、
自分自身の身にただならぬことが起きるのだということを悟る。
ナウシカも女だ。
少女から成熟した女性へと変化の途上にあった。
ほんの数年前に始まった月ごとの営みと身体の急激な変化は、
自分が女という性を受けたことを強烈に意識させるようになった。
だから、(犯される)という最悪の状況への懸念は船に乗る前から持っていた。

それでも、(ユパ様が側にいてくださる限り大丈夫)
というユパへの絶対的な信頼感がそんな不安を打ち消してくれた。
クシャナとの話の中で、「自分とユパは決して離れ離れにしない」
と約束させたということをナウシカは聞かされていた。

(じゃあ、一体何をされるんだろう?
・・・まさかユパ様の見ている前で兵士たちから犯されてしまうことなど
絶対にあり得ない・・・きっと何か拷問にかけられるんだ・・・)
「・・・分かりました。どんな試練に遭っても谷の王家の誇りは決して忘れません」
ナウシカはしっかりと落ち着いた口調でユパに答えた。

そこへ指揮官らしき男と共に10人の兵士がやって来て、
ぞろぞろと無造作に牢の中に入って来た。
「ユパ、お前が少しでもおかしなマネをしたらどうなるか、あの子供たちを見てみろ」
兵に言われてユパはゆっくりと振り返った。
ユパにとっては改めて見るまでもなく分かりきったことだったが、
座っている子供たちの両脇には、抜身の剣を携えた兵士たちが立っている。

子供たちを人質にとったのは、これから始まる“宴”の前に
ユパとナウシカの恐るべき戦闘能力を封じるためだった。
しかし、本当は安全を担保する方法は他にいくらでもあり,
わざわざ子供を人質にとる必要はなかったのだ。
この場の指揮を執る将校が子供を人質とする方法を選択したのは、
このやり方ならナウシカはより自分たちの言いなりになるだろう、
という程度のことでしかなかった。
しかしこの方法は、この後将校の想像を超えた効果を発揮することになる。

一方ナウシカは、ユパに抱きしめられたまま牢の入り口の方を向いていた。
だから全部で11人の兵士らが入って来る一部始終を見ていた。
そしてナウシカの鋭い感覚は、その中の1人だけが他の兵士らとは
なんとなく異質の雰囲気を放っていることを敏感に感じ取っていた。

ユパは未だ剣を2本隠し持っている。
しかし、いかに辺境一の剣士とはいえ、
そしてナウシカが外見からは想像もできないような戦闘力を持っているとはいえ、
牢の外に子供たちを人質にとられていては手も足も出せない。
「貴様ら・・・クシャナはこのことを知っているのか?」

「もちろんだ」
将校が返答しようとする前に鉄格子の向こうから声がした。
そこにいた全員が声の主に対して直立不動の姿勢をとる。
クシャナ本人であった。

「貴様! 約束が違うぞ! 先ほどの話はどうした!
風の谷の者に一切危害を加えない変わりに、
巨神兵復活の協力をしろと持ちかけてきたのは貴様ではないか!」

「クシャナ殿下と呼べ!」そう怒鳴る将校を制し、クシャナは平然と言った。
「はて、私はそんな約束をした覚えはない。
お前たち、誰かそんなことをこの私が言うのを聞いた者がいるか?」
兵士らはニヤニヤしながら互いに顔を見合わせ、口々に「聞いてません」と答える。

確かに応接の間に移動した際、
そこにいたのはクシャナとユパ、それに気絶していたナウシカの3人だけだった。
「貴様,最初からそのつもりであの時人払いを!」
「落ち着け。命まではとらん。それは約束しよう。
すぐに貴様さえ封じれば済むようになるから、子供たちもすぐ解放してやる。
その娘はじきに足腰立たなくなるわけだからな。」
兵士たちは下卑た笑みを浮かべながらナウシカを見ている。

「それに・・・」クシャナは牢の中に入り、ユパに顔を近づけると、
意図的にナウシカにも聞こえる声でこう囁いた。
「長いこと故郷に戻れずに辺境周りをさせられていると、
男どもはアッチの処理ができずに、作戦に支障をきたしてしまうのだ。
我が兵たちが十分作戦に従事できるようこの娘に奉仕させるのは、
巨神兵を復活させるために風の谷がするべき
“必要なあらゆる協力”の1つではないか?」

ナウシカは、自分たちがまんまと罠にはめられてしまい、
恐れていた最悪の状況になってしまったことをはっきりと自覚する。
ナウシカはユパの腕からそっと離れ、静かに鉄格子に近づいた。
子供たちの目線に合わせてしゃがみ、それから精一杯の笑顔で言った。
「みんな心配しないで。もう少しだけ我慢していてね。
私が必ずみんなをこの船から出してあげるから」

そう言うとナウシカは立ち上がり、子供たちに背を向け、
毅然とした態度でクシャナの目をじっと見ながら言った。
「何でも言われる通りにします。
だからユパ様と子供たちには絶対に手を出さないと約束してください」

「よかろう」そう言うとクシャナは将校に命じる。
「後は任せる。この娘以外には手を出すな。
子供たちは必要がなくなったらすぐに開放してやれ」
そう言うと、クシャナは牢から出て行った。

「殿下はご覧にならないので?」
兵士の1人が尋ねるとクシャナは、「貴様らの趣味に付き合っているヒマはない」
そう言い残し、通路の向こうに消えていった。
こうしてこの場にいる女性はナウシカただ独りとなってしまった。

将校を含め、11人の男たちが性の対象としてナウシカを取り囲んでいる。
それでもナウシカは王の娘として育てられた威厳を保ち、言った。
「どうすればいいのです?」

段取りは最初から決まっていたようで、隅に並んでいたベッドの1つが
牢の中央に移される。
照明はちょうどベッドの真上にあり、ベッドにかけられたシーツの白が反射して、
少しまぶしく感じるほど明るい。

そして将校が冷たく言い放つ。
「素っ裸になってベッドに寝ろ」

 

(・・・将校の言うことは確かに正論だ。
だが、そのためにワシがナウシカの大切な処を見るのか・・・)
ユパはナウシカの気持ちを考えて逡巡してしまう。

「どうした、こんな小娘に遠慮してるのか? まだまだガキじゃねぇか。
どうしても証人になりたくないって言うんなら、我々だけで始めるぞ?
そのかわり、後になってガタガタ言っても遅いからな。
さあどうする、証人になるのか? ならないのか?」
「・・・・・・」

「ユパ様、お願い」
しばしの沈黙をやぶったのはナウシカの声だった。

ナウシカを思いやるあまり、どうしても決断できないユパをナウシカの言葉が救う。
その声に後押しされ、ユパはついに決心する。
「ナウシカ、すまん」
そう言うと、兵に促されるままナウシカの足元の位置まで移動し、
ゆっくりと正面を向いた。

決して下半身は見ず、ナウシカの目だけに焦点を合わせる。
するとナウシカはこの状況で神々しいまでの表情で言った。
「ユパ様、私は平気です。子供たちを早く返してあげましょう」
自分の娘ほどの少女から勇気付けられ、ユパは自分が情けなくなる。

だが実のところ、ユパの心配は杞憂であった。
救われた思いでいたのはナウシカも同様であったのだ。
ユパに自分の身体を見られているという恥ずかしさよりむしろナウシカは、
(ユパ様に見守られている)という安心感に包まれる。
(ユパ様さえ傍にいてくれれば、どんなことにも耐えられる)
そんな気持ちにさえなった。

ところが、ナウシカのそんな暖かな気持ちは、
将校の取った行動でたちまち現実に引き戻され、霧消してしまう。
「すんなり牢屋に入ったお前に,もうこれは不要だからな」
そう言いながら将校はユパが外套の下に隠し持っていた剣を2本とも抜き取ってしまったのだ。

ユパが剣を持って牢屋に入ることができたのは、兵らの不注意などではなかったのだ。
剣は、ユパを牢屋に入れやすくするための単なる道具に過ぎなかったのだ。
だがむしろ、このタイミングでユパから剣を奪ったことは、
2人に与える精神的なダメージの方が大きかった。

特にナウシカは顔にこそ出さなかったものの、自分たちがどうすることもできない
窮地に追い込まれ、自力で活路を見出せる可能性がこれで
ほとんどゼロになってしまったことを思い知らされる。
(ユパ様は剣を2つ持っている。ユパ様がきっと何とかしてくれる)
ナウシカに残された唯一の希望の根拠はこれで失われてしまった。

「よし、まず膝を立てろ」
それまでナウシカは足をしっかりと閉じていた。
恥丘は晒されてしまうが、
この状態なら肝心の部分はほとんど太股の下に隠されたままだった。

(ああ,やっぱり・・・)
ナウシカは言われるまま、少しずつ膝を立ててゆく。
何人かの年若い兵士たちはナウシカの足の側に回り、
頭を低くして目線をベッドの高さに合わせる。
そんな兵士らの眼前で少しずつナウシカの下唇がその姿を現す。
ナウシカは必死に尻肉を閉じ、大切な部分が見られないようにしようとするが、
それは無駄な試みだった。

十分に膝を立てると、すぐに次の命令が出される。

「そのまま膝を胸の方にもっていけ」
本当はもう止めてしまいたい。
しかし動きを止めれば,それだけ無駄に時間が過ぎてしまうだけで、
子供たちの解放も遅れてしまう。
子供たちのことを思い、ナウシカは言われるまま、
ゆっくりと体を丸め、足を持ち上げていく。

兵士らの眼前で、太股にはさまれた下唇が露わになっていく。
花びらは行儀良く下唇の中に納まり、完全に隠れている。
足首を伸ばし、少しでも大切な部分から兵士らの視界を遮ろうとするのが
せめてもの抵抗だった。
恥ずかしがっている素振りは絶対に見せないつもりだったのに、
言われたことを淡々とこなして兵士らの興をそぐつもりだったのに、
ナウシカはこの、ほんの最初の段階でたまらず唇をかみ、横を向いてしまう。
必死に辱めに耐える紅潮した横顔に男たちはいよいよそそられる。

ナウシカは猛烈な恥辱と闘いながら、これが将校の指示する最終的な姿勢で、
今から時間を計り始めるものとばかり思っていた。
ところが将校はさらに、「そのまま足を大きく開け」と言った。
俗に言う「マングリ返し」の格好になれ、というわけだ。

(いくら何でも本気でそこまでさせる気なの!?)
ナウシカは思わず将校をキッと睨みつける。
だが将校は何も言わず、冷たい目でただ黙ってナウシカを見下ろすだけだった。
両者の間に、ただただ沈黙が流れる。

「オラどうした!」
「子供たちがどうなってもいいのか?」
「さっきまでの威勢はどうした?」
そんな言葉が周りを取り囲む男たちから浴びせられる。

先ほどから子供たちは
兵士に言われた通りにナウシカのことをずっと見ていた。
子供たちの視点の高さからだと、兵士らに視界を遮られてしまうこともあり、
今ナウシカがどういう状況なのかよく分からない。
それでも子供たちは幼いなりにナウシカの身を思い、
ナウシカが恐ろしい男たちに
殴られたり蹴られたりするのではないかと心配していた。
今のところ兵士たちがナウシカに暴力をふるい始める兆しがないので、
内心ほっとしていたところだった。

実際には暴力を振るわれたりするよりはるかに酷いことをされているのだが、
幼い子供たちにはナウシカがされていることの意味は未だ分からない。

しかし、たくさんの軍服を着た男たちに取り囲まれる中で
ナウシカだけが裸で寝かされ、足を上げたままじっと動かないでいる状況を、
何となく不自然で異様なものと直感する。
加えて兵士たちがナウシカに乱暴な言葉を吐き始めたのを見て心配になり、
思わず、「ひめねえさま、大丈夫?」と声をかける。

それまでナウシカは、子供たちから顔をそむけていた。
不意に聞こえてきた子供たちの声にハッとしたナウシカは、
自分がじっと動かないせいで、男たちから罵られている今の状況が
子供たちを不安にさせてしまっていることに気が付く。
ナウシカはやっとの思いで子供たちに向かって精いっぱいの笑顔をつくり、
「私は大丈夫だから。心配しないでね。もう少し我慢していてね」と言った。
それからキッと男たちを睨みつけ、自分自身に言い聞かせるようにして言った。
「私は絶対にあなたたちなんかに負けない!」

「ほう、そりゃ結構なことだな、じゃあさっさと股おっぴろげて、
お前のオ○ンコを見せてみろよ!」

本当は両手で顔を覆い隠してしまいたい。
しかしナウシカは子供たちの笑顔を思い浮かべ、意を決して足を開いてゆく。
そしてナウシカの性器が徐々に男たちに曝け出されていく。
ナウシカのまだ小ぶりな、しかしぷっくりと柔らかそうな下唇がすっかり露わになる。

足が開くにつれて下唇は徐々に開かれていき、
唇の下にすっかり隠れていたピンク色の花びらがその姿を少しずつ現し始める。
瑞々しい花びらに照明が反射して光っている。
やがて足が完全に開ききる。

ナウシカの性器はまだまだ白く、下唇にうっすらと光っている恥毛は
まだやっと生え始めたばかりで、ほとんど産毛のようだ。
心を含めたナウシカの大人への成長過程で、
一番発育が遅れているのはどうやらこの部分のようであった。

「時間を計れ」
ナウシカにとっては今までの時間だけでも
もう十分過ぎるほど長かったのに、ようやく時計が動き出す。
ナウシカはこのまま早く時が過ぎることを願った。

ところが時計が動き出してすぐ、凶悪な言葉がナウシカに投げかけられる。
「おい、尻の穴がだらしなく広がって中が丸見えになってるぞ」
この言葉の意味が分かっている男たちは互いに目を見合わせてニヤリと笑う。

この体勢だと、確かに菊門が引っ張られはするが、
中が見えてしまうようなことはもちろんない。
だがナウシカは反射的に尻を閉じようと力を込める。
少しでも恥部を隠したい、絶対に恥女とは思われたくない。
-女の悲しい性だった。
王族の血筋に生まれ、王の子として育てられたナウシカは、
先天的,後天的に人々がうらやむような資質を多く身につけていた。
こんな極限状況の中でさえ子供たちのことを気遣い、
心配をかけまいとすることに象徴される、谷の人々へのどこまでも深い愛情、
腐海や蟲への接し方に表れている、見た目や偏見に左右されない公平な心、
それらは明るい笑顔と相まって優しい母性愛を感じさせる。

その一方で、同じ年齢の少女であればとっくに平常心を失っているはずの
こうした状況で見せる落ち着きや、どんな相手にも臆することなく相対する強い心、
さらに、父が殺された時に見せたような、猛々しい男性的な面も併せ持っている。
ナウシカのそんな一面は時に、年齢など感じさせない威厳すら漂わせていた。

ナウシカは、人の上に立つ者にとって必要とされる資質の多くを既に身につけていた。
ナウシカがたくさんの資質を身に纏っていることを実際に見て
実感しているからこそ、谷の人々はナウシカに親しみを感じ、
慕い、喜んで協力しようという気持ちになった。

そうした優れた資質の数々があるからこそ、「ナウシカ」という名前を聞いた時、
谷の誰もが持っているイメージと、
現在の姿とのギャップはあまりに大き過ぎた。

大勢の敵兵たちの好奇の目に取り囲まれ、雑言を浴びせられ、全裸で、
しかも股を大きく開き、未だ少し幼い性器をアナルまで露わにし、
顔を横に向け、キュッと口を結んだまま、
耳まで赤くして小さく震えながら必死に恥辱に耐えているのだ。

 

程なくナウシカの腹がブルブルと細かく震えだす。
この状態でアナルを閉じ続けるには結構力が要る。
見ていた男たちはニヤリと笑う。
これこそが罠だった。

アナルは元々そんなに長く力を加え続けられる部位ではない。
しばらく時間が経過すると、どうしても一瞬力が抜けてしまう。
ハッとしてまた力を込める、そんなことがだんだんと増えてくる。

1分半経過し、2分が経過する。
この頃になると、短い時間しか力を加えることができなくなる。
力が抜け、慌てて力を込める、少ししてまた力が抜ける・・・
そんなことの繰り返しだった。
そのためアナルは、力が入ったり抜けたりするのに合わせて、
ヒクッ、ヒクッ、と動くのだった。

「見ろよ、コイツの尻。閉じたり開いたりしてるぜ」
「オレたちに見られてるってのに、この女変態だな」
そんな嘲りを受け、ナウシカは尚もアナルに力を入れ続ける。
この体勢でアナルを閉じようと下腹部に力が入り続けると、どうなるか-

アナルに力を込めることに集中していたナウシカだったが、
やがて下腹部の奥に、少し痺れる感じがし始めた。
生まれて初めての感覚だった。

身体の芯で始まった痺れは、3分を過ぎる頃にはその範囲を広げ、
且つ痺れの度合いをますます強めていった。
もはや痺れというより、疼きという表現の方が当たっている。
(・・・わたし、どうしちゃったのかしら・・・)
ナウシカは自分の身体が今どんな状態なのか見当もつかないまま、
生まれて初めて味わう不思議な感覚に戸惑いを深める。

(自分が淫乱などではないと証明し、子供たちの身を守るのだ、
そのためにほんの短い時間耐えているのだ)
改めて自分にそう言い聞かせる。
しかしそうした意思とは裏腹に、やがて最深部から始まった疼きの火は、
徐々に表面に湧き上がってゆき、
とうとうナウシカの未だ幼い、非常に敏感な部分の表面にまで達し始める。

自慰などしたこともないナウシカはその感覚を、
誰かが自分の大切な部分を触っているのかと錯覚する。
(でもユパ様が見張ってくれているし、そんな筈はない。
・・・それじゃあ、これは一体・・・)
自分の大切な処が一体どうなっているのかということを
意識しだしたナウシカはハッとした。
断続的に力を加え続けているアナルの周辺がひんやりと冷たい。

(わたし、今どういう状態なの? ・・・もしかして、感じてしまっているの?)
そんな不安が急に沸き起こり、そして急速に広がってゆく。
ナウシカはなんとか落ち着きを取り戻そうと、
再度、自分が遂げようとしていることを己に言い聞かせ、深呼吸を繰り返す。

しかし、自分の意思とはまったく関係なく身体が様々な激情に振り回されてしまい、
どうすることもできない。
顔を持ち上げてユパの表情を見れば、心配する必要があるのかないのか分かるはずだ。
しかし、大きく膨らんだ不安と恥辱感が、目を開くことさえためらわせる。

一方のユパは、ナウシカの性器をまったく見ていなかった。
もっと正確に言うなら、焦点を身体の上方にずらし、
ナウシカの身体全体が視野の中に入るようにして、
男たちが不正をしないよう見張っていたのである。

ユパもまた、ナウシカがこんなことで興奮してしまうとは微塵も考えていない。
昨日の夕食の際、ジルやババ様や自分と共に谷のことを語るナウシカの真剣な横顔に、
気高ささえ感じたことを思い出す。
(ワシがナウシカの大事な処を見る必要など何もない。
ただ時間までこの兵士どもがよからぬことをしないよう、見張っておればよいのだ)
ユパもまた早く時間が来ることだけを願っていた。
やがて、ユパとナウシカにとって果てしなく長く感じられた5分が経過する。
「時間だ。ナウシカ、もう少しそのままで待っていろ。
さあ、ユパ、お前から結果をナウシカに教えてやれ」
(結果など、分かりきったこと)
ユパはそう考えたが、兵士たちの表情を見てギクリとする。
そして、見る筈のなかったナウシカの大切な場所に慌てて視線を向ける。
その光景に、ユパは心臓をつかまれたような痛みを覚えた。

ナウシカの性器はすっかり濡れ、キラキラと光っていた。
アナルまでもすっかり濡れており、シーツにまで雫がこぼれ落ちている。

時間が過ぎたというのに、(ユパ様にだらしないところを見せちゃ駄目だ!)
そう考えるナウシカは未だ健気にアナルに力を入れ続けていた。
しかし筋肉の限界を超えて尚懸命に力を入れてはいるものの、
実際にはアナルはただヒクヒクと小さく震えるのみであった。

「さあどうした! お前から言ってやらないと、ナウシカも納得しないだろ?」
将校はユパの心を見透かしたかのような笑みを浮かべながら言う。

(こっ、これをワシがナウシカに言うのか!!)
ユパは未だに自分が見たことを現実として受け入れることができない。
だが、どう思い返しても、兵士たちの動きに不審な点はなかった。

一方ナウシカの方は、もう間もなく4分に達しようという頃、
ひんやりと冷たい感じがして気になっていたアナルから、
何かが、つーっと動いていく感覚に気付いた。
何かが移動してゆく妙な感覚は、
そのままゆっくりと下がってゆき、やがて何も感じなくなってしまった。

下腹部の疼きは時間の経過と共に強くなるばかりで、
特に敏感な性器はもはや疼きというより
「ジンジンする」というという感じで、脈動さえ伴っていた。
そのためナウシカは、アナル周辺を何かが動くような妙な感覚を
おぼろげながらしか感じ取ることができず、
それが大切な処を濡らしているためなのかどうかはっきりとは分からない。
ナウシカはそれが錯覚であって欲しいと強く願っていた。

時間がきた後の男たちとユパのリアクションはまさに対照的だった。
目はつぶったままだが、ユパは将校に促されても何も言ってくれない。
一方の男たちはしてやったりという雰囲気だ。
自分の大事な場所がなんともなければ、ユパはすぐにそれを教えてくれるはずだ。
そんな状況に、ナウシカは自分がどういう状態になってしまったのか、
否応なく自覚させられてしまう。
みぞおちの辺りがズシンと重くなる。

ナウシカはもちろんのこと、ユパも、こんな状態になったのが
男たちの巧妙な罠によるものだとは夢にも思っていない。
ナウシカはそんな人間ではない、そう固く信じていただけに、
それが裏切られた衝撃は計り知れないものだった。

「・・・お、お前がそんな女だったとは・・・」
思わず口をついて出してしまった言葉がナウシカに駄目押しをしてしまう。

(錯覚でもなんでもない、わたしは大切な処を濡らしてしまったんだ・・・)
ナウシカの目から大粒の涙がこぼれる。
「・・・ユパ様・・・ごめんなさい・・・」
今までの彼女からは想像もつかないような消え入りそうなか細い声だった。

(ユパ様はきっとわたしのことを軽蔑しているんだわ・・・)
こうなってしまった以上、もう男たちからどう見られても仕方がない。
ただ、ユパから恥女と見られてしまったことが辛い。
しかし、それもこれも自分のせいだ-ナウシカは自分を責める。
2人の関係が微妙に変化してゆく。

まんまと策略通りに事を運ぶことに成功したトルメキア側だったが、
本当はこんな回りくどいことをする必要はなかったのだ。
だがこうすることで、陵辱される側に一種の引け目を負わせることになる。
純粋無垢なナウシカも、そしてユパでさえ、完全にこの罠にはまってしまった。

そしてこれは一部の兵士のためでもあった。
いかに悪名を馳せているトルメキア兵とはいえ、彼らも人の子だ。
故郷には大切な母や姉、妹がいる。
集団レイプは自由参加だが、その最中は周りの雰囲気に流されて仲間に加わるものの、
後になって激しい良心の呵責に苛まれる兵は実際にいるのだ。
だから、こんな状況で興奮するような淫乱な女は、
口では嫌がりながら、本当はセックスを望んでいるのだ、
俺たちが集団でレイプしても構わないんだ、という大義名分を与える。
故に、特に新兵たちはこのトリックの真相を知らない。

2人のやり取りを見ていた将校はしゃあしゃあと言う。
「ナウシカ、お前は敵兵に自分の身体を見せただけで
興奮してオ○ンコを濡らすような淫乱のスキ者だ。
お望み通り、これから俺たちがたっぷりとかわいがってやるからな!」
将校の言葉はナウシカだけに向けられているのではない。
ユパにも、そしてこれが罠だと知らない兵士たちにも向けられていた。

こうなると、もう男たちに遠慮などない。
「お前、いつまで大股開いてんだ?」と言うと、ナウシカの性器を指でグイッと拭う。
アナルから始まり,未だ触れた者のいない、
非常にデリケートな部分にまで指を侵入させ、素早く愛液をすくい取る。

「アッ!」
ナウシカは絶対に出すまいと決心していた声を思わず上げてしまう。
慌てて足を下ろし、身体を横向きにして身を丸めようとする。
しかし男たちはナウシカの四肢をつかみ、身体を横に向けることを許さない。

愛液を拭った男が言う。
「おい、こっちを見ろ。お前、こんなになってんだぜ?」
ナウシカがおずおずと声の方に視線を向ける。

男が2本の指をナウシカの目の前に突き出す。
指は愛液をタップリとすくっており、今にもタレ落ちそうなほどであった。
「ホント、いやらしい奴だなあ」
そう言いながら指をナウシカの頬につけ、そこから首、そして乳房に這わす。
「う・・・」
指の通った後には愛液の川がヌラヌラと光っていた。

(子供たちをすぐに助けてあげるはずだったのに・・・
これからこんなに大勢の男たちから酷いことをされてしまうんだ・・・)
しかし、ナウシカの悲しい覚悟は残酷な裏切られ方をする。

ふいにクロトワが20人の兵士を引き連れてやって来る。
「参謀、お体は大丈夫でありますか?」
「ああ。クソッ! コイツのせいでまだ頭がクラクラしやがる!」
クロトワはいまいましそうにそう言いながら牢の中に入って来る。

自尊心を失い、すっかり気弱になってしまっていたナウシカだったが、
クロトワの顔を見て、再び激しい怒りがこみ上げてくる。
(この人が指揮して父さんを殺させたんだ!)

クロトワが真っ直ぐ自分に近づいてくるのを見て、
ナウシカは本能的に足首を交差させ、太ももをぴったり閉じて身を守ろうとする。
だがクロトワは、やにわに両方の足首をつかむと、
そのままグイッと乱暴に持ち上げ、左右に大きく開いた。
「何をする! 手を離しなさい!」
顔を真っ赤にしたナウシカの声が響く。

既にクロトワは牢全体の雰囲気で、
“始めの儀式”が無事に済んだことを見抜いていた。
そしてわざとナウシカの性器に顔を近づけて覗き込み、
ありったけの皮肉を込めて言った。
「オー、オー、こんなに濡らしちゃってまー!
コリャ、どんだけ上品なお姫様なんだ?」

父を殺した男とこんな格好で再会したくなかった。
ナウシカは、父を殺した男にこんな姿を見られた挙句、
そんなことまで言われ、死んでしまいたい気持ちになる。
だが、そんな気持ちをグッと押さえ、言う。
「いつまで掴んでいるつもりなの? すぐにその手を離しなさい!」

ナウシカは足首を掴んでいるクロトワの手を引き離そうと、
上半身を起こし、腕を伸ばそうとする。
だが、男たちはナウシカを押さえつけ、それを許さない。

「やめて! 離してっ!」
ナウシカは足をバタつかせ、強引にクロトワの手を振りほどこうとした。
しかしクロトワは、暴れだすナウシカには一向に構わず、
自分が引き連れてきた男たちに言う。
「お前らにもやらしてやるからな、待ってろよ?」
男たちから歓声が上がる。

「なっ・・・・!」
ナウシカの表情は一瞬にして凍りつく。
(・・・嘘でしょ? ・・・こんなたくさんの男たちに・・・?)

クロトワは、自分がこんな小娘に一撃で倒されてしまったことが
どうしても我慢ならなかった。
最初からここに入って来た10人の兵は、1人の例外を除いて
たまたま今日が非番の者たちだった。
クロトワは自分が1人でそこに加わるだけでは飽き足らず、
腹いせに特に重要な任務のない兵を20人ばかり集めてきたのだ。
牢の中には入りきれず、外側の通路にも立ち見が出る。

「最初はオレに任せとけ」
そう言うとクロトワはベッドに上がり、
仰向けに寝かされているナウシカの頭の上方に足を投げ出して座る。
クロトワはそのままナウシカの両方の脇の下に手を入れ、引っ張り上げる。
仰向けに寝ていたナウシカは、
クロトワの胸を背もたれにして、同じ方向を向いて座らされる格好になる。

クロトワは両方の手でナウシカの乳房を下から持ち上げるようにしてつかむと、
「ヘッヘッヘッヘ。どうだ? どんな気分だ?」
と下卑た笑みを浮かべながらゆっくり揉み始める。
そしてナウシカの顔を自分の方に向けさせると、強引に唇を重ね合わせ、
更に舌を侵入させようとする。
ナウシカは顔を振ってきっぱりとそれを拒絶すると、
クロトワの顔をしっかり見据えたまま叫ぶ。
「・・・あなたは・・・あなただけは・・・絶対に許さない!
女に剣で負けた腹いせにこんなやり方で仕返ししようとするなんて・・・
こんなの卑怯者のすることよ!」

「クソッ、このアマァ!」
クロトワの手に怒りがこもる。
「うっ!」
急に強く乳房を握られ、ナウシカは苦痛に顔を歪める。

再び乳房の愛撫が始まる。
だが、ナウシカは胸を揉みしだかれながらも、毅然とした態度を保っていた。
(父を殺したこの男だけは許せない)
恥辱よりも憤りの方が強かった。

クロトワが言う。
「そんなに強がってても、じきにだんだん気持ちよくなってくるんだよ、お前は。」
「ふ、ふざけないで!」
「口ではそんなこと言ってても、体は正直だからな。
お前、敵兵に見られただけで感じて濡れちまったんだろ? え?」
「くっ!・・・」

「もうすぐお前がどうなるか俺が教えてやるよ。
アソコをビショビショに濡らしながら、
『アッ、イヤ~ン』て、悶えるようになるんだぜ?」

「ウソだ! そんなのデタラメよ!」
「ああ、そうかい。いつまでそんなこと言ってられるか見ものだな」

(絶対に反応しちゃ駄目だ!)
ナウシカは自分に強く言い聞かせる。
しかしそんな強い意志を持ちながらも、
一方でナウシカの身体はまだ十代の若々しい女体であり、
その健康的な肉体は、ほんの僅かな刺激でも鋭敏に拾い上げてしまう。
更に、「大勢の男たちの視線に晒されている中で乳房を弄ばれている」
というシチュエーションが、ナウシカの感情に拍車をかけてしまう。

そして、胸を愛撫され続けたナウシカは
次第に息が荒くなり、思わず声を上げてしまいそうになる。
気持ちが切れかけたナウシカの脳裏に、つい先ほどユパから言われた言葉が浮かぶ。
(「よいか、ナウシカ。ジル亡き今、そなたがこの風の谷の長だ。それを忘れるな。」)
ナウシカはハッとし、再び全身に力を入れ、必死に耐える。
(ユパ様、わたし・・・わたし・・・)

だが・・・
「クゥッ・・・ゥッ!」
徐々に背中が反ってゆき,とうとうくいしばった歯の間から声が漏れてしまった。
クロトワがナウシカの耳、うなじに舌を這わせ、更に乳房の頂上を責め始めたのだ。
声まで漏らすようになったナウシカにクロトワは
乳首を指でクリッ、クリッ、と回しながらわざと大きな声で言う。
「こんなに乳首立てやがって」

「こっ、この、ひっ、卑怯・・・者っ!」
もはや言葉もしどろもどろで、声にも、もうさっきまでの力はない。
ナウシカは自分の今の状態を否応なく思い知らされてしまう。

「どうした? オレに何をされても感じたりしないんじゃなかったのか?
え? ホレ、ホレ、」
「アッ!・・・イヤッ!」
乳首に強い刺激を加えられ、ナウシカはたまらず声を上げてしまう。

クロトワは片方の手はそのまま胸を愛撫し続けながら、
もう片方の手を胸から離す。
そしてその手を柔肌に這わせて愛撫しながら、徐々に下の方にずらし始める。
胸から腹、そして下腹部へ・・・
そしてその手は、交差させぴったりと閉じられた上腿で行く手を阻まれる。
ナウシカの無言の抵抗だった。

しかしクロトワは、「子供たちを助けたいんだろ?」と囁き、
抵抗する気持ちを奪うと、ナウシカの足の間に自分の両足を割り入れ、
股を開いていく。
「子供」という絶対的な切り札を出されてしまったナウシカは、
股を開かせまいと抵抗することもできず、
クロトワにされるがまま、大きく足を広げてしまう。
下腹部で留まっていたクロトワの手を阻むものはもう何もない。
その手は再びゆっくりと下がり始めた。

 

ナウシカは父の私室での戦闘の場面を思い出していた。
クロトワに向かって突進していった時、打ち合う前から既にその力量を見切っていた。
杖を振りかざしたあの瞬間、この男は情けない悲鳴を上げ、恐怖に慄いていた。
直接打撃を受けたわけでもないのに、あっけなく気絶してしまったこの男・・・。
軍服からして、この男が父殺害の指揮を執ったのだということは分かっていた。
それでもあの時、父の仇をとるためにとどめを刺すことなど、考えもしなかった。
それが・・・無様な姿を晒していたあの時の男が、
最悪の脅威となって再び自分の前に現れることになろうとは・・・

最もデリケートな部分が触られている感覚で、ナウシカはハッと我に返る。
局部に達したクロトワの指先は、下唇の形に合わせてぴったりと添えられていた。
そして下唇を左右に大きく広げられ、花びらがその姿を現す。

ナウシカは子供たちの笑顔を思い浮かべ、上体をやや前のめりにしながら必死で恥辱に耐える。
花びらは、初めて姿を見せた時よりもやや赤みがかり、幾分膨らんだように見える。
クロトワはそれでも尚ナウシカが抵抗せず、身を固くしてジッとしているのを確かめると、
中指を花びらの中に滑り込ませ、膣口の表面に触れる。
だが、その瞬間-

「いやあぁぁぁっ!!」
それまで必死に押さえつけていた理性のタガがついに許容を超えてしまう。
それまで下におろし、されるがまま必死に動かさないよう耐えていた両手で、
膣口に指の腹をうずめかけたクロトワの手をつかみ、ありったけの力を込めて引き離す。
さらに、大きく広げさせられていた両足を閉じ込む。

だが、クロトワは少しも慌てない。
舌打ちすると顔を上げ、子供たちの両脇に立っている兵士に命令する。
「おい、このアマ どーも、実際にやって見せんと分からんらしい。
そのガキの中から誰でもいい、1人選んで-」
「お願い、待って!・・・もう邪魔したりしません。
・・・だから子供たちに手を出さないで!」
「いいだろう、だが今度やったらもう2度目はないぞ?」
「・・・」
ナウシカは黙ってうつむく。
そしてクロトワの手をつかんでいた腕を下ろす。
そして自分から股をゆっくりと開いていった。

クロトワがナウシカの耳元で囁く。
「さっきの反応・・・お前処女だろ?」

「処女」という言葉にナウシカはピクリと反応する。
クロトワは、ちょうど自分の目の前に立っている兵士たちに言う。
「おいお前ら、このお姫様が処女かどうか見てやれ」
「ハッ!」
兵士たちは、こんな命令、誰が断るものか、といわんばかりの反応だ。
命令されていない他の兵士まで我も我もとやって来てナウシカの秘所を拝もうとする。
結局ナウシカは、大勢の男たちが見ている前で、最も恥ずかしい場所を晒してしまうことになる。
ナウシカに対する強い復讐心に燃えるクロトワは、彼女の股をわざと限界まで広げる。

正面からも、側面からも、男たちの好奇の目が一身に集中する。
ナウシカは恥ずかしさのあまり、顔を前に向けることも、横に向けることもできず、
目をつぶってうつむいたままじっと動かない。
身体がふるえ、涙が頬を伝う。
(さっさと済ませて! 早く終わらせて!)
ナウシカは心の中で叫んでいた。

「みんなに見てもらおうなぁ」
そう言うと、クロトワは自分の両足でナウシカの股を大きく広げたまま、両手を局部に伸ばす。
そしてナウシカの花びらを左右に広げていく。
目に涙をためながら震えるその横顔に、クロトワの嗜虐心はいよいよ高まる。

「アッ、イヤッ!!」ナウシカは思わず身を捩って叫んでしまう。
クロトワが必要以上に花びらを強くギュッと左右に引っ張ったのだ。
塗れそぼる花びらはただつまんでもヌルッとすべって指先から逃げてしまう。
だから、指を花びらに引っ掛けるようにして強く引っ張ったのだ。
ナウシカが苦痛に声を上げても、身を捩っても、クロトワはその手を緩めようとしない。

「おい、さっきの威勢はどうした?」
耳元で囁かれても、もう何も言い返すことができない。
剣を持って相対すれば、こんな男など一瞬で倒すことができるのに、
今その同じ人物から辱められ、痛みを加えられ、されるがまま、
拘束されているわけでもないのに、抵抗することもできない。

クロトワはそこから更に膣口を、それだけで処女膜を傷つけてしまいそうなほど左右に広げた。
こうして、少女にとって最も大切に秘めておきたい奥の奥を大勢の男たちに取り囲まれる中で、
すっかり晒してしまう。

ナウシカは震えながら、猛烈な恥辱と痛みに耐え続けるしかなかった。
男たちは息をするのも忘れんばかりにナウシカの一点を凝視する。
「・・・処女だ」
しばらくの沈黙の後、誰とはなしにポツリと言った。
クロトワはニヤリと笑う。
「やっぱりな。じゃ、オレがほぐしといてやるからよ、この後の順番を決めておけよ。
ただし、コイツは相当執念深そうだから、最初の奴は覚悟しとけよ」

そう言うと、クロトワはやっと花びらを強く引っ張り続けるのをやめ、手を離す。
ナウシカが安堵したのもつかの間、クロトワは再びナウシカの胸を揉みしだく。
ナウシカは、自分の乳房をつかむその指先が、ヌルヌルと濡れていることに気が付いた。
クロトワは手を大きく開いて2つの乳房を鷲掴みした。
豊かな白い乳房は、その指をやすやすと飲み込んでしまう。
そして、さっきよりも更に力を入れて揉み込んだり、大きく円運動を繰り返したりし始める。
大勢の男たちの目の前で、2つの柔らかい乳房が様々に形を変えていく。

ナウシカは、歯を食いしばり耐えていたが,
徐々に強く押し寄せてくる感覚にとうとう抗えなくなり、無言で身を捩って、背中を大きく反らしてしまう。
クロトワの胸からはやや距離が開き、前で見ている男たちに胸を大きくつき出す格好になってしまう。
そして、しばらくその格好のまま全身を硬くし、胸を震わせながら、クロトワの執拗な愛撫に耐え続ける。
ナウシカが胸を大きく前に突き出すようにして耐え続けるのを見て、
クロトワは硬くなっている乳首を、コリッ と引っかいた。

「ハアッ!」
思わず悲鳴とも喘ぎともつかない声を上げ、全身をビクン! と痙攣させると、
ナウシカの上半身はクロトワの胸にドサッと戻ってくる。

クロトワは片方の手で尚もナウシカの胸を愛撫しながら、もう一方の手を再び性器に伸ばしてゆく。
そこは先ほどより更に愛液で溢れていた。
手がナウシカの下唇をじっとりと覆う。
花びらは先ほどと比べて更に開いており、そこからほんの少しだけ開いている膣口が顔をのぞかせている。

花びらを大きく開かれても、
中指を再びその中に滑り込ませても、
膣口の周辺をなぞられても、
そして指先を膣口に当てて、
ゆっくりと中に沈み込ませていっても、
ナウシカはじっと耐えるだけで、もはや抗おうとしなかった。

今のナウシカは、
身体のいかなる場所も思うままに愛撫できる。
好きなようにその肢体を動かし、どんな格好でもとらせることができる。
そんな状態になってしまった。

クロトワは中指を1本だけ、時間をかけてなじませ、ソロソロと沈めていった。
ヘンなところだけ律儀な男だ。
やがて指が完全に根元まで見えなくなる。
「オレの中指を全部呑み込んでんだぜ、お前。どんな気分だ? え?」
クロトワはナウシカの奥深くで中指をゆっくりとくねらせながら訊ねる。

「・・・ハア、ハア、ハア、」
しかしナウシカは、荒い息をするばかりで何も答えることができない。
決して声を上げないよう、体を動かしてしまわないよう堪えるのに精一杯で、口を利く余裕などまったくないのだ。
ナウシカは初めて経験する異物の挿入感に、痛みはほとんどなかったものの、言いようのない嫌悪と恐怖を感じていた。
しかし同時に、切ない甘美な感覚の源に触れられていることも知覚する。
それでも尚ナウシカは、子供たちに心配をかけまいと、王族の尊厳を守ろうと、必死に堪えていた。

「コイツ、もう憎まれ口をたたく気力もねェのかよ」
呑み込まれていた指が再びその姿をゆっくりと現し始める。
完全に指が抜け、ナウシカがほっと息をつこうとする刹那、
「アアッ!・・・」
ナウシカの心をあざ笑うかのように、再び指が膣内に進入してゆく。
指が奥へ奥へと入っていくのを嫌がり、ナウシカは思わず腰を捩ってしまう。
その瞬間、ナウシカの全身は、生まれて始めて経験する強烈な感覚に痺れる。
そして無意識のうちに、腰を動かすことと、麻薬のように甘美な感覚との因果関係を学習してしまう。

指はゆっくりとピストン運動を始めた。
ナウシカはつま先を持ち上げ、身を捩り、必死に耐え続ける。
そして無意識のうちに、少しずつ自らの腰を捩るようになってゆく。

クロトワは自分の両手、舌,それに息も動員してナウシカに刺激を与え始める。
膣の奥深くで指をくねらせながら、クロトワが耳元で囁く。
「父親を殺した男にこんなことされるなんて屈辱だろ?」
「クウッ・・・,こっ、この、ケダモノッ!」
ナウシカは身を捩って必死で耐えながら、苦悶の表情でクロトワを睨む。

「あなただけは・・・絶対に・・・ゆ、許さないんだからっ!」
「ほう、そうかい。そいつは楽しみだ、な!」
「アッ!! ダメよ! そっ、そこだけは・・・ダメェ! やめてえぇぇぇ!!」
クロトワはナウシカのクリトリスを露出させ、指でしごき、圧迫し始めたのだ。
ナウシカは激しく身悶えし、喘ぎ声を上げ、苦悶の表情を浮かべる。
もはや自分の感情を抑制できなくなり、反応をことごとく表に出してしまう。
ナウシカが身を捩って泣き叫ぶのを見て、子供たちは身を乗り出して必死にその名を呼び続ける。
だが、その声は今のナウシカには届かない。

つい先程、屈強な兵士たちを相手に無類の強さを発揮していたナウシカが、
その敵兵の腕の中で完全に弄ばれてしまっている。
どんな屈強な兵にも引けを取らない武力を備えたその体躯は、
今やクロトワのたった数本の指先に完全に支配されてしまっていた。
どのタイミングで、どの程度の喘ぎ声を上げさせるのか、身を捩って悶えさせるのか、
すべて男のコントロール下に置かれ、意のままに操られてしまう。
クロトワが手を動かすたび、ナウシカの身は跳ね上がり、痙攣し、伸び上がり、硬直する。

初めのうちナウシカは、自分を取り巻く様々な目を意識していた。
自分の身体を弄ぶクロトワの復讐心と嗜虐に満ちた目。
ベッドを取り囲む大勢の男たちの情欲に満ちた目。
そして身を案じ、心配して名を呼び続けてくれている子供たちの目。
そしてユパの目・・・。

(父を殺したクロトワや男たちを悦ばせてしまうような反応は絶対に見せたくない)
(子供たちをもうこれ以上心配させたくない)
(恥女と見られてしまったユパ様の前で、もうこれ以上淫らな姿を見せたくない)

そんな強い思いが、ナウシカに反応を表に出すことを押しとどめさせていた。
しかし、クロトワの執拗な、そして確実に激しさを増してゆく責めは、
ナウシカの非常に強い意思を少しずつ蹂躙していった。

徐々にナウシカの意識は、自分を取り巻く外の世界を意識する余裕をなくしてゆき、
次々に激しさを増しながら押し寄せる自身の内面の激情に向けられていく。
そして、自分を取り囲む様々な目がナウシカの意識から少しずつ消えていってしまった。

そして時の経過と共に、ついにナウシカの意識は、
クロトワが動かす手指によってもたらされる感覚のみに支配されてしまい、
そこから湧き上がってくる快感のことしか感じられなくなってしまった。
結局ナウシカはなすがままに弄ばれ,クロトワの胸の中で喘ぎ声を上げ、激しく身悶えしてしまう。

甘い快感の世界に閉じ込められたようになり、
ますます高まる激情の渦に呑まれ、踊らされ続けていたナウシカだったが、
いつの間にか、自分の身体を弄び続けるその手の動きが弱まったことにぼんやりと気がついた。
だが、ナウシカの意識は依然として快感の嵐の真っ只中で翻弄され続けていた。
身体は火照り、頭は焼けるように痺れている。
下半身の内奥が切ないほどに重苦しい。
だが、理由は分からないが、ともかく快感の供給は弱くなっていった。
徐々にではあるが、嵐が静まってくるのに合わせて、内面のみに没入していた意識が外界に戻ってくる。
そして自分を呼ぶ声に、ナウシカはようやく気がつく。

「・・オイ、お前、いつまで1人で腰振ってんだよ」
ナウシカは思わず絶句してしまう。

クロトワの中指は依然として彼女自身に深く沈められている。
だがその手はまったく動いていない。
ところが、まるで指からの刺激を貪るかのように、ナウシカは自ら腰を動かし続けていた。

尚荒い息が収まらず、喉が少しかすれている。
うっすらと目を開けてみれば、いつの間にか自分の手が、クロトワにつかまれていない方の乳房をしっかとつかみ、
もう一方の手は、性器を責めるクロトワの手をつかんでいることに気が付く。
無意識のうちとはいえ、自分がどれほどの醜態を男たちとクロトワに晒し、よがり狂っていたかを知って、
頭にカアッと血が上る。

「この淫乱女め。お望み通りたっぷりかわいがってやるからよ!」
そう言うとクロトワは、未だショックのあまり固まったままのナウシカの身体を再び愛撫し始める。

一旦静まりかけた快感の波が再び急速に高まってくる。
(こんなに憎い相手なのに! こんなに嫌なのに!!・・・)
ナウシカは、心と裏腹にこんな反応を示してしまう自分の身体が恨めしかった。

「俺に討ちかかって来た奴がこんなんなっちまうんだからなあ、
こうなっちまうと、コイツもただの女だよな」
そんな屈辱的な言葉に、ナウシカは今一度反応を堪えようとするが、逆に大きな悲鳴をあげてしまう。
クロトワが、膣口だけではなく、アナルにも指を入れ、ギュゥゥッと、挟み込んだのだ。
本来モノを出すための器官に異物が逆流してくる初めての感覚に、
ナウシカは身の毛のよだつような嫌悪感を覚えた。

ナウシカが再び強制的に先ほどの状態まで上らされるのに、さして時間はかからなかった。
だが、ここからが違った。
今回は、ナウシカを一気に絶頂まで登りつめさせるよう、先ほどよりも更に強い刺激が全身に加えられた。
未だ処女だというのに、焦点の定まらぬ目で頭を振り乱し、涎を垂らしてしまう。
そして-

「アアアァァァーーーーーッ!!」
ナウシカは今まで激しく悶えさせていた体を急にビクンと反らせ、表情を苦痛にゆがめ、叫んだ。
「ハア! ハア! ハア!」と荒い息が続き、
膣の痙攣につられて、ベッドにつけていたかかとが ビクッ,ビクッ と前後に動いていた。
「・・・イッたな。最初の奴は決まったか?」
クロトワがヌルリと指を引き抜き、ナウシカから離れる。

支えを失ったナウシカの上半身は、まるで人形のようにドサリとベッドに倒れる。
その衝撃でナウシカはやっと我に返る。
ナウシカは、自分の身体に次々と生じる未知の、そして非常に強烈な現象に翻弄され、
当惑するばかりで、普段の姿は見る影もない。
性器からは愛液で溢れ出、シーツには大きなシミをつくっていた。

「参謀、最初はコイツにやらせてやってください」
将校が1人の兵士を示す。
他の兵士たちは、未だ順番決めで多少もめていたが、1番目に関しては
指名された兵士で当然と、誰もが納得している様子だった。

未だ動悸が治まらず、少し放心状態のナウシカは、クロトワに代わってベッドに上がってきた男を
恐る恐る見上げながら身を起こそうとする。
それは、牢に入って来た時からずっと他の兵とは違う雰囲気を放っていた、あの男だった。
他の男たちは皆自分に欲情の視線を向け、ニヤニヤ笑いながらヤジを飛ばしていた。
ところがそれとは対照的に、この男は常に一歩引いたところに立っており、
ずっと無表情で、感情を表さなかった。
今こうしていても、男の表情には何の感情も読み取れない。
ナウシカは思わずその目をのぞき込む。
そしてその乾いた目に、僅かに怒りがこもっていることに気がついた。

ベッドに上がった男はナウシカにズカズカと迫り、そして何も言わずに、
痛烈な平手打ちを食らわせ、身を起こしかけたその肩を突き飛ばす。
ナウシカの上半身はベッドにドサッと、勢いよく倒されてしまう。
「なっ!」
驚くナウシカにはまったくお構いなしに男は膝をつき、自分の一物を取り出すと、
ナウシカの足を持ち上げ、強引に性器を露わにする。
「キャッ!」
そしてそのまま怒張するペニスを一気につきたてようとする。
今までとのあまりの違いにナウシカは面食らう。

それまでのやり方は言ってみれば、王家の尊厳を守ろうとするナウシカから
様々な方法で苦悶や羞恥に満ちた表情やしぐさを引き出し、
その反応の仕方をじっくりと観賞して楽しむ、そういうやり方だった。

ところがこの男は、今までと雰囲気がまったく違う。
今の今まで、ナウシカはただ仰向けになっていただけだった。
それが、あっという間に未だ純潔を守る少女にとって最も恐れる状況に追い込まれてしまっている。

実は、クロトワが自分の処女を奪おうとしなかったことが、ナウシカには内心意外だった。
そのため、(もしかしたら、処女を守れるのではないか)そんな希望が芽生えていた。
だが、このまま無抵抗でなすがままでは、次の瞬間確実に破瓜の時が訪れてしまう。
処女さえ守れるのなら、どんな屈辱的なことをされてもいい、何を要求されてもそれに応じるつもりだった。

 

(なんとかしなきゃ・・・)
下腹部には先ほどの切なく甘い感覚が重苦しい痛みと共に残っている。
全身がダルく、意識もまだ少しもうろうとしていて、初めて経験するイッてしまった感覚がまだ生々しく残っていた。
あまりに激しすぎる前戯にもうぐったりで、本当は口を利くのもおっくうだ。
しかし、これが最後のチャンスだと自分に言い聞かせ、必死に気持ちを奮い立たせる。

そして肘を支えに上半身を起こすと、叫んだ。
「あなたの好きなようになさい! でもその前によく考えてみて!
あなたにも家族がいるのでしょう?
もし自分の妹や娘がレイプされて処女を奪われてしまったとしたら、あなたはどう思うの?
夫以外の人から無理やり処女を奪われたという事実は一生残るし、心の傷は癒せないのよ?
もし、そんな取り返しのつかないことを自分の家族がされたと知ったら、
あなただってそんな酷い事をした相手に復讐してやりたいと思うでしょう?
今あなたがしようとしていることは-」

「黙れえ!」
将校の大喝がナウシカの言葉を遮る。
「『自分の家族がそんな取り返しのつかないことをされたら』だと?
『心の傷は一生治せない』だと? じゃあ、お前はどうなんだ!
この男のたった1人の身寄りをさっきお前が殺したんだ。
そのお前にそんなことを言う資格があるのか!」

ナウシカの瞳から強い意思の光が消えてゆく。
(・・・わたしが・・・殺してしまったんだ・・・)

「『そのことを家族が知ったら・・・』とか抜かしたな?
じゃあ、お前は、
『あなたのご主人は、あなたのご子息は、 敵の女に殺されてしまいました』
と告げられる遺族の気持ちが本当に分かるのか?
『復讐』・・・とか何とか言っていたよな?
じゃあ、大切な兵士を4人も殺された家族を代表して、我々にも復讐させてもらおうじゃないか!
その身体で償ってもらおうじゃないか!」

冷静に考えれば、将校の言っていることは詭弁だ。
そもそも最初にジルを殺したのはその4人の兵士たちだった。
しかし怒りに我を忘れていたとはいえ、4人の人間を殺してしまい、
冷たい皿のような目で自分を見据える遺族を前にして、
ナウシカには将校の詭弁を見抜くことができなかった。

将校の言葉をまともに受け取ってしまい、たちまち男から顔を伏せてしまう。
人の心の醜い闇の部分とは無縁の環境で生まれ育ったナウシカは余りに純粋過ぎた。
まして集団レイプについての知識など無きに等しいナウシカは、
クロトワが自分の処女を奪わなかったのは、さすがにそこまで酷いことをするのを
“遠慮”しているのだと思い込んでしまっていた。
だから、処女を奪ってしまうことの重大性を告げた上で、
「それ以外ならどんなことでもするから」と話を持っていくつもりだった。
ナウシカは今になってクロトワが男たちに言った、

「オレがほぐしといてやるからよ」
「コイツは相当執念深そうだから、最初の奴は覚悟しとけよ」

という言葉にどれ程黒い意図があったのかを思い知らされ、自分の見通しの甘さを痛感させられる。

将校は、ナウシカが何も言えなくなったのを見て兵士に言う。
「さあ、弟の恨みを晴らせ」
そう言われると、男は自分のペニスを膣口にあてがい、一気に貫いた。
そしてピストン運動を繰り返す。
「ハアッ!・・・アッ・・・アッ・・・,イヤアアァァッ!・・・ゆ、許っ・・・してぇ!」

ペニスがつきたてられるたびナウシカの上体が、そして2つの乳房が揺れる。
そしてペニスが引き抜かれるたび、膣口の内側の粘膜が引きずり出されて少し露出し、血の混じった愛液が流れ出す。
そして激しいピストン運動の後、男は膣内に自分の怒りをすべてぶちまけた。
男はコトを終えると、さっさとベッドを下りて牢屋の外に出て行ってしまった。

「ハア、ハア、ハア、・・・」
ベッドに残されたナウシカは、荒い息をしながら呆然と横たわっていた。
女性にとってたった1回しかない、最も大切にしたい瞬間を敵兵によって奪われてしまった。
「エッ、ウゥッ・・・」
こんな形で処女を奪われてしまったショックと悲しみが雫となって頬を濡らす。
両手で顔を覆ったナウシカは嗚咽を漏らし始める。
性器は白濁した液体で溢れていた。

父を殺した張本人から男たちの面前で辱めを受け、我を忘れるほどに興奮してしまい、
そして今、ロマンのかけらもない雰囲気で処女を奪われてしまった。
もうこりごりだ、もうたくさんだ。
1人きりになって大声を上げて泣いてしまいたい。

だが、男たちはそんなナウシカの心情などこれっぽっちも構おうとしない。
すぐに2人の男がベッドに上がってくる。

「四つんばいになれ」と男が命令する。
そう言われてナウシカは、今やっと1人目が終わっただけで、これから延々と順番が続くことを思い出す。
ナウシカは言われた通り大人しく四つんばいになる。
相変わらずベッドの周りには大勢の男たちが好奇の目で自分を取り囲んでいる。
男たちになるべく自分の大切な場所が見られないよう、モモと尻をぴったり閉じた。

見ると、男たちが袋から何やら取り出している。
嫌な予感に胸が高鳴った。
男が取り出したモノは蟲の抜け殻を加工したものらしく、注射器の形によく似ている。

「これが何か分かるか?」
男がニヤニヤしながらそれをナウシカの目の前に持ってくる。
「俺たちはキレイ好きなんでな。これでお前のケツをキレイにしてやるからな」
そう言うと男は後ろに回り、ナウシカの視界から消える。
不安が一層つのる。

「動くなよ」後ろから声がして、膣に管を挿入される。
思わず身構えて身体を固くするが、管は小指よりも細い程度のものなので、
挿入された感覚はあまりなく、心配したほどのことはなかった。
管は入れられたかと思うとすぐに抜き取られる。
管の先端は今しがたの情交のせいですっかり濡れて光っていた。
男は先端の部分を満足げに眺めると、今度はその先端部分をアナルにあてがう。

「イヤッ!」
思わず叫んでしまうが、管は菊門をこじ開けると、後はナウシカの意思とは裏腹に、
ほとんど何の抵抗感もなく、スーッと中に入っていく。
管は徐々に太くなるため、挿入に従って
アナルが徐々に押し広げられていく感覚がナウシカはたまらなくイヤだった。

管をアナルに沈めると、液体が流し込まれていく。
ナウシカは自分の下腹部に少し冷たいものが広がってゆき、腹が膨れる感覚がはっきり伝わってくる。
(わたし、何をされているの? 一体どうなるの?)
苦痛はほとんどないが、そんな不安で胸がいっぱいになる。
ナウシカの体内にタップリと透明の液体が流し込まれ、管が抜き取られた。
それからカサカサと音がして、ナウシカの尻に何かが貼り付けられる。
四つんばいで頭を垂れているナウシカは、自分の胸越しに何か袋のようなものが
尻のあたりから下がっているのが見えた。

程なくして腹が膨れ、苦しくなってくる。
そして、身に覚えのある非常に強い感覚にとらわれる。
(これは・・・)
一瞬その感覚の正体が何なのか思い出せなかったが、
すぐに自分が激しい便意に襲われるという状況に置かれていることに気付き、ハッとする。
(こ、こんな所で・・・?)

腹が鳴り、便意はますます強くなってゆき、尻をすぼめないとたちまち漏らしてしまいそうになる。
「お願い! トイレに行かせて!」
意を決して頼んでみる。
だが男たちはニヤニヤしながら言う。
「気にしないでここでしろよ。そのためにオムツをつけてやったんだからよ!」

排泄行為を家族以外に見られた経験はない。
家族に見られたのだって、ごくごく幼い頃の話だ。
敵兵の男たちに取り囲まれたただ中での排泄行為など、絶対にあり得ない。
つい先ほどナウシカは仰向けの状態でアナルに力をこめたが、
今度は四つんばいの体勢で再びアナルに全身の力を込めるはめになってしまう。
体内では、まるで便が出口を求めて暴れまわっているかのようだ。
身体がブルブルと震え、全身から汗が噴き出してくる。

ナウシカが尚も必死で耐え続けていると、
「ホレホレ、あまり我慢すると身体に毒だぞ?」
そう言うと1人の男がナウシカの両方の膝を外側に大きく広げ、それから腰をつかむと後ろに引いた。
まるで両手をついて土下座をしているような格好にさせられる。

腕は立てたままなので上体が起こされ、アナルに重心がかかり、引っ張られる。
「アウッ!・・・くぅ!」
「コイツ、イイ表情で鳴くじゃネェか。クックック・・・」
背中を反らし、必死に耐えながら苦悶の表情を浮かべるナウシカに汚い言葉が浴びせられる。

それから尚も耐え続けるが、下腹部の苦しさは増し、激しい痛みも加わる。
(・・・このままいつまでも耐え続けるのは無理だ)
ついにナウシカは諦めた。

(・・・もう、一気に出してしまおう)
そう考えたが、そうはいってもなかなか勇気が出ない。
ますます激しくなっていく腹痛のことや、
男たちが今更トイレに行かせてくれることなど考えられないことからしても、
これ以上耐え続けても無駄だし、身体にも絶対よくないに決まっている。
理性では、(もう諦めて出してしまおう)と考える。
一方で、大勢の男たちに囲まれた中での排泄ということを考え、どうしても躊躇してしまう。

物心がついてからこれまでずっと排泄はトイレで行ってきたし、それが当然だと思ってきた。
それがベッドの上で、しかも四つんばいになって、
尻に袋状の“オムツ”をつけた状態での排泄など、とても尋常ではない。
しかも敵の男たちの好奇の目に取り囲まれた中でしなければならないのだ。
感情的には絶対イヤだ。
この切羽詰った状況で、理性と感情が激しく葛藤する。
アナルがヒクヒクと大きく収縮し、爆発寸前で押し留められる。
そんなことが数回繰り返される。

「ヒッ!!」
膝を開かせた男が、袋越しにアナルに指を埋め、抜いた。
そして-
ナウシカは腸内に溜まっているものを勢いよく一気に袋の中に吐き出した。
「次は脱毛か?」
「まだ産毛みたいなもんだぜ。かわいいじゃないか。」
「そうだな。そのままでいいか」
男たちがナウシカの意思などまったく無視して、勝手に持ち主の恥毛の処理について話をまとめる。

「じゃあ、最後はこれやって準備完了だな」
そう言うと男は、四つんばいのままのナウシカに、「仰向けになれ」と命じた。
そして、再びマングリ返しの体勢にさせる。

「もうケツの穴を閉じなくてもいいからな。力を抜いてろよ」
そう言いながら男はごく細い管をナウシカの尿道にあてがい、ゆっくりと沈めてゆく。
「キャッ!」
まさか、こんなことまでされるとはまったく予想していなかった。
これでナウシカの下半身の穴は、すべて穿たれてしまったことになる。

「こんなことをして、一体何のつもりなの!?」
ナウシカは気力を振り絞り、管を挿入している男をキッと睨みつけるが、
男は集中しているせいか、こちらを見ようともしない。
周りの男たちもニヤニヤと笑って見ているだけだ。

男は尿管を傷つけないよう細心の注意を払い、管をゆっくり回しながら挿入していく。
やがて管の先端が膀胱に達し、男がつまんでいる先の方から、ナウシカの意思とは関係なく尿がほとばしる。
男はそれを袋に受け止めた。
極度の緊張を強いられ続けていたせいで、やがて袋にはかなりの量がたまる。
「こんな量を途中で漏らされるとたまらんからな」
そう言いながら男は管をスッと引き抜いた。

 

その後,ナウシカは立て続けに9人の男たちの相手をさせられてしまう。
「オレ、コレ1回ヤッてみたかったんだよなぁ~」
最初の男は自分の一物を取り出すと、仰向けに寝かせたナウシカの胸部に馬乗りになる。
ナウシカの胸と胸の間に、生暖かい嫌な感触が伝わってくる。
そして男はナウシカにパイズリを強要した。
ナウシカは言われるまま自分の胸を掴むと、男のペニスを挟んだ。
そして、恐る恐る胸を動かし始める。

「そんなに弱くちゃ、勃たネェよ! もっと強く挟んで動かすんだよ!」
男にじれったそうに怒鳴られてしまう。
無理もない。
自らの胸に触れる機会といえば、せいぜい入浴中くらいのものだ。
どうしても「自ら胸を揉む」という行為にタブーを感じ、怖くて力をセーブしてしまう。
今のナウシカは、純粋可憐な16才の少女の素の状態になってしまっていた。

「じれってぇなぁ! オラァ、こうやんだよ!」
そう言うと、男は自分の両手でナウシカの胸を鷲掴みにし、自分で刺激を加え始める。
だが、男のやり方が乱暴すぎたせいで、ナウシカは胸に強い鈍痛を感じる。
「イタッ! 痛ぁい!」目に涙をいっぱいにうかべ、ナウシカは苦痛を訴える。
それでも男は、自分が満足することしか考えていない。
ナウシカの訴えなどお構いなしで、乳房を激しく動かし続ける。
やがて、男は絶頂を迎えた。
ナウシカの顔は、男の欲情の液体ですっかり汚されてしまう。
男がベッドを下りた後、ナウシカは依然として鈍痛の治まらない胸をかばうようにして両手で覆う。
そのしぐさが痛々しい。

こうしてナウシカは、次々と男たちの相手をさせられてしまう。
ある者はフェラチオ、そしてある者は指で十分にほぐしてアナル攻めと、
まるでローテーションのように、様々な体位で様々な部分を犯されてしまった。

特に処女の場合、膣への無理な挿入を繰り返すと膣壁に裂傷が生じ、
ひどい出血が止まらなくなってしまうことがある。
男たちは大人数での輪姦のやり方をよく心得ていた。
だから決して膣一箇所だけに集中しないのだ。

男たちも、そしてナウシカ自身も、もう自分が何度イッたのか分からない。
こうして処女を奪った男を含め、10人が欲情を吐き出し終える。

男たちは順番がつかえているのを知っているので、
時間をかけてじっくりとナウシカを味わっているわけではない。
傍から見ていると割と次から次に淡々と順番が進んでいく。

しかし、いかに“淡々と”とは言っても10人だ。
優に1時間以上に渡って、休みなく陵辱され続けたことになる。
10人の欲望を一身に受けとめさせられたナウシカは、
もはや精も根も尽き果てた様子で仰向けに倒れていた。
呆然と天井の一点を見つめ、胸を大きく上下させながら荒い息をしていた。
体中に激しい陵辱の後が残っている。

将校は衛生兵に、ナウシカを浴室に連れて行くよう命じる。
衛生兵が横たわっているナウシカの身を起こそうとすると、気丈にもその手を振り払い、自分で身を起こす。
ベッドから下り、促されるまま浴室へと歩いていく。
その足元はフラフラとおぼつかず、今にも倒れてしまいそうだ。
片手で壁に寄り添い、もう一方の手で身体を隠すようようにして、ナウシカは廊下の奥へと消えていった。