学校帰りの並木道。
一年中枯れないという特異な桜が咲き誇る初音島の、彼女にとってはなんて事のないいつもの通学路。
音夢「ハァッ、ハァッ、ハァッ・・・・っハァッ!!」
必死に逃げていた。
そのすぐ後ろを、一人の男が追いかけていた。
いや、人の姿こそしていたが、人を人たらしめる何かが欠けている顔をしていた。
男の目は血走っていた。
本能に突き動かされ、獲物を追いたてる焦燥に駆られ、涎を垂れ流しながら追いすがる。
並木の出口が見えた。
後少し・・・・20メートル・・・・・10メートル・・・・・
もう少しのところで、少女の華奢な肩に手がかけられる。
そしてそのまま、力任せに真横の草むらに引き倒された。
音夢「キャッ・・・」
短く、小さな悲鳴を上げて柔らかな芝生の中に顔から倒れ込んだ。
痛みに耐え、体を起こすいとまもあらばこそ、男がその足首を掴んだ。
荒い息を吐きかけながら、足首から上へ上へと這い上ってくる。
突然の恐怖に声も出せず必死に引き剥がそうとするが、雄の性衝動の前にはあまりにも儚い抵抗だった。
叩く、蹴る、引っ掻く。
しかし引き剥がす事ができない、止まらない。
それどころか、か弱く非力な抵抗はより一層の興奮を与えるばかりだ。
男の口の端から垂れた涎が音夢の頬に落ちる。
大きな体で少女の小柄で柔らかな身体にのし掛かる。
乱れた髪から見え隠れする白いうなじに唇を寄せ、くさい息を吐きかけながら時折吸い付いた。
音夢はあまりの気持ち悪さに鳥肌が立ち身体を堅くする。
男はそのスキを見逃さず、スカートの中へと手を突っ込んだ。
グリグリと清潔な下着越しに秘所をまさぐる。
敏感な部分に触れられて驚いた拍子に、大降りな抵抗を見せる。
爪が男の頬を深く抉った。

その一撃にカッとなり、音夢の頬に平手打ちをかます。
頬を叩く音が少女の中でやけに大きく響いた。
実際にはたいした音も、さしたるダメージも負ってはいないのだが、平手の痛さに抵抗が止まった。
諦めた。
男はそう捕らえ、涎で汚れた口の端を歪めてゆっくりと音夢に覆い被さる。
制服の胸をはだけさせる。
その拍子に1つのボタンが外れ、2つのボタンがちぎれ飛んだ。
シンプルな柄のブラをずり上げると、まだ成長途中の堅さの残る双丘が露わになる。
大きいとは言えない胸を揉む、というより周りの柔肉を集めて捏ねる。
少女独特の柔らかな感触を手の平に感じ取り、興奮に拍車がかかる。
第二次性徴期まっただ中の少女の胸は、触られると性感よりも痛みの方が大きい。
痛さと、脂ぎった大きな手のおぞましさに喉の奥で悲鳴を飲み込む。
手足は恐怖で動いてくれない。
顔を必死に逸らし、堅く眼を瞑る。
眼を逸らすことで現実を否定しようとする。
さりとて、自身に今起きている事実は変わりやしない。
それどころか、視覚を閉ざすことで胸部をまさぐる手の感触に自然と意識が行ってしまう。
ゴツゴツした指が桜色の先端部を押しつぶす感触も倍ぐらいに思える。
ひとしきり胸の感触を味わった男は、攻撃目標を次へと移した。
折り目の乱れたスカートを捲り上げ、その下に隠れていた下着に手をかける。
その途端、今までなすがままになっていた音夢の腕が下着を押さえた。
震える細い腕で必死に抵抗する。
それに苛立った男は、もう一度頬を叩いた。
今度は往復で。
下着を掴む腕から、身体全体から痛みと恐怖で力が抜ける。
口を切ったのか、唇の端から一筋の鮮血が伝った。
男はその血に興奮したのか、目標を下半身から上へと移す。

見え隠れする縦長のヘソ。
乱暴にはだけられた胸。
白くて細い首筋。
そして、端に血の付いた桜色の小さな唇。
臭くて荒い息を吐き出す乾いた唇を舌で舐め、男は音夢の口唇にむしゃぶりついた。
口を閉じる間を与えず、舌を捻り込む。
内側の頬粘膜に舌を這わせた。
音夢「んむっ!? んんーーーーーーーーっっ!!!」
ファーストキスは、ケモノの臭いと血の味だった。
鉄臭くて唾液とは異なるぬめりを帯びた味が、男の舌と唾と共に口の中いっぱいに広がった。
ぷっくりとして柔らかな唇をケモノ臭い舌が這いずり回り、口の周りがベタベタになるのも構わずに唾液をぬたくる。
再び口腔へと侵入し、少女の小さな舌を引きずり出そうと口内で暴れ回る。
やがては見つけだされ、強引に絡められた。
ヌトヌトした生臭い唾液を舌に載せて口内に運び込み、それを相手の舌に擦り込むように蠢く。
ナメクジのような舌の気持ち悪さと、否が応でも口の中に垂れ流される涎に気が遠くなる。
吐き気を堪え顔を振るが、柔らかな両頬を男の手がガッチリと挟んでいるため逃れることができない。
次第に口内に溜まった男の唾液が喉の奥まで押し寄せてくる。
息が出来ない。
段々と苦しくなる。
目尻に涙がたまる。
窒息しないためには吐き出すか飲み下さねばならない。
当然前者は不可能だ、やがて。
ゴ・・クッ
音夢の喉が鳴る。
男が吐き出した排水溝のゴミ溜めの味のような液体を嚥下した。
咽頭や胃袋、身体中を犯された気がした。
もっとも、犯されるのはこれからが本番なのだが。

男は音夢が自分の唾液を飲み下したことを知り、唇を解放する。
二人の口の間には濁った滴の橋が生まれ、途切れたそれは少女の顎を汚した。
プハァと生臭い溜息を付き、口元を薄汚れたシャツの袖で拭う。
少女の様子を見る。
肩で息をし、それにつられて膨らみかけの双丘が上下していた。
眼は開いていたが、放心した音夢には何も見えてはいない。
抗う気力も体力もすでに無くなっていた。
男はそれを見て取り、ニタリと笑った。

よれたスカートをめくり上げ、股の間に割って入る。
白地にワンポイントのリボンが付いた、風紀委員の鏡とも言えるような地味な下着だった。
それをずり下げる。
少女の匂いのするその部分は僅かに震えていた。
薄い痴毛はまだ生えそろっておらず、触るとショリショリとして手触りが良かった。
顔を近づける。
性の匂いとオシッコの臭いが近づく。
男はフンフンと臭いを嗅ぎ、一本のスジしか走っていないスリットにおもむろに舌を這わせた。
ベチョッ
「・・・・ひうっ!?」
音夢の喉の奥で悲鳴が上がる。
カラダが大きく波打つ。
太股をしっかりと押さえつけ、何度も何度も入り口を舌でなぞる。
その度にビクビクと女体が反応を示す。
男の頭を押しのけようとするが、うまくいかない。
舌はなおも溝に沿って上下し、その奥に入り口を作ろうと掘り下げる。
しばらくすると、峡谷の上の方にある包皮に護られた敏感な突起を探り当てた。
それに触れられると、音夢の反応が激しくなる。
男はほくそ笑み、肉芽を重点的に刺激しだした。

舌でねぶる。
執拗に。
これでもか!というぐらいに。
舌と歯で挟んでコリコリしたり、甘噛みしたり。
充血しだした陰核をなぶり続ける。
包皮の先端部から舌を尖らせてつつく。
最も敏感な部分を直に触れられ、ひときわ大きく、激しく全身が揺れた。
グリグリと包皮に舌を捻り込む。
その度に大きく鋭い痺れが脳髄へと掛け登った。
直接神経を鷲掴みにされたような快楽は耐え難く、メスの本能が突き動かされる。
性への衝動を激しく刺激され、オスとの交尾を身体が望んで行く。
全身が熱く火照り、何も考えられなくなる。
心のどこかで「もうどなってもいい」と思う自分が居た。

しばらくクリトリスに気を取られている間に、そのすぐ下では大変なことになっていた。
身体の奥から泉のように滾々と湧き出した蜜が膣を潤し始めていた。
クレバスも広がりだし、胎内への入り口が見えはじめていた。
膣孔から溢れ出た陰液はトロトロと引力に引かれて垂れ、下にある排泄用の穴まで濡らしていた。
身体は着々と準備を始めている、これから起こりうるだろう初めての性交のために。
少女が自分の与える愛撫に股を濡らしていることに気づき、舌をそちらの方に滑らせる。
ベチョベチョ、ぢゅるるるぅぅ~~~っと下品なまでに音を立てて啜りあげた。
開いてきたピンク色の花弁をはみ、奥へ奥へと舌を侵入させて行く。
まだ誰にも触れられたことのないその部分はヒクヒクと蠢き、男を知らないながらも期待に満ちた動きをしていた。
ピッチリと生えそろった肉襞は、侵入してきた舌を奥へ奥へと導くように絡み付こうとしてくる。
愛液を啜り飲み、唾液を膣壁に擦り込むように流し込んだ。
少女の匂いから、発情した雌のニオイに変わる。
頃合いと見た男は、股間から顔を離した。
男の舌と淫水が染み出す胎内への入り口の間を糸が引く。
その糸は無色透明ではなく、少しばかり白く濁っていた。

ズボンとパンツを一緒に下ろし、天を仰ぐ剛直を取り出す。
興奮に息を荒げ、音夢に覆い被さる。
少女の身体は糸が切れた人形のように動かない。
しかし音夢のオンナの部分は、まるで男を誘うかのように淫靡に蠢いていた。
十分にほぐれた粘膜に自分の逸物を宛う。
チュクリ・・・
いやらしい水音が立つ。
淡いピンク色をした陰唇を手で押し開き、膣口まで押し進める。
その先には、押しつけられた男根とは不釣り合いなぐらいの小さな肉の洞窟があった。
ミチミチミチミチミチ・・・・メリッ!
亀頭の部分がめり込んだ。
「ひぐっ!?」
体内に侵入してきた異物が与える痛みに身体が硬直する。
これから行われる性の暴力に全身がガクガクと震えだし、双眼が恐怖に見開かれた。
音夢の秘洞は濡れぼそっていてもなお狭く、男が侵入するたびに柔肉がゆっくりと裂けてゆく。
ズググググ・・・・グ
男の先端に何か当たるものがあった。
膣肉とは少し異なる柔らかさと弾力を帯び、男の侵略を頑なに拒むもの。
それが何なのかを悟り、より一層狂気の笑みが濃くなる。
舌なめずりをし、一気にブチ抜くことにした。
・・・・ブツッ、ズブズブズブズブッ!!
少女を護っていた皮膜はボロ布のように一瞬で破り捨てられた。
そのまま最奥まで貫く。
「あ゛・・・グ、かはぁ・・・っ!!」
ゴリッと子宮口を突き上げる音が、少女の中で響いた。
鋭い痛みが、耐え難い痛みが下腹部を襲う。
引き裂かれた汚れのない身体、引き裂かれた汚れのない心。
護り育むのは数多の時間を費やすのに、失うときは一瞬であった。
意識が沈んで行く。
辛い現実から、ガラスのように繊細な心を護るために。

男はケモノのように腰を振った。
相手の事などお構いなしだ。
男にとってこの行為は、気持ちがいいからとか単なる暇つぶし程度の軽い物でしかない。
ただただ、快楽を貪り続けた。
腰を振り立て、大きなストロークで抜き差しする。
水音と肉のぶつかり合う音が、夜の並木道にやけに大きく響くような錯覚にとらわれる。
男の腰の動きに合わせるように、音夢の首に巻かれたチョーカーの鈴が鳴っていた。
チリン、チリンと。
音夢はそれを手で押さえた。
鳴らないように。
幼い頃自分が迷子になると、この鈴の音を聞きつけて兄が必ず探しに来てくれた。
だからこそ、必至に押さえた。
どうか兄の耳に届きませんように。
こんな姿を見られませんように。
混濁した意識の下で、そんなことを考えていた。

堅く閉ざされた瞳には何も写らない。
脳裏にも何も浮かばない。
しかし、誰かに見られている気がした。
嫌悪感を覚える視線。
うっすらと笑う嫌な視線だ。
芳乃さくらが、あの魔女が、すぐ近くで笑っているような気がした。
その嘲笑う視線のまとわりつく中、音夢の胎内に熱い何かが注がれた。

桜咲く卒業の季節。
音夢は少女を卒業させられ、オンナになった。
この後、音夢は中○校を卒業すると本土にある医療系の学校に進学することになる。
そんな彼女には、本土に渡ってまず最初にしなくてはならないことがある。
この春、音夢は初めての堕胎を経験した。