王の私室で対決した際、ナウシカにご自慢の剣を折られてしまったクロトワは、
殺害されたコマンド兵の1人の剣をとりあえずの得物にしていた。
ナウシカに撲殺されたのは4人だったので、4本の剣があるのだが、
クロトワが選んだ剣は曰くつきのものであった。
クロトワは剣を抜くと、それをナウシカの首筋に当てがった。
ナウシカにとってそれは、敵から急所に剣を突き付けられ、
次の瞬間にも命を奪われるかもしれない危険な状況なのだが、
獣の如く叫び続ける今は、それに気付くことができない。
刃先が太く浮き立った頸動脈をザラザラと撫で付ける。
「オイ、ユパ。俺様がこの柄をチョイと引いたら、
このお姫様は最高にイってるまんま、あの世に逝けるぜ?
当分こんなことされる位なら、いっそのこと
このまま何も気が付かずにあの世逝きってのが
いろんな意味で一番幸せだと思うんだが、どうだ?」
「悪い冗談は止せ、止めろ。頼むから止めてくれ!」
ユパの言葉には答えず、今度はナウシカに話し掛ける。
「ナウシカ、これはな、お前の御父上に止めを刺した剣なんだぜ?
どうだ? 親子揃って仲良く同じ剣の餌食になってみるか? ん?
…って、今何されてるかまるで気が付いてねぇんだよな。」
首筋に剣をピタピタ当てながら、
理性を失い激しくよがり狂うのみのナウシカを
クロトワは勝ち誇ったように見下ろす。
それから剣を戻すと、無造作にベッドに立てて放置した。
徐々にもう二度と戻れなくなってしまう瞬間が近づいてくる。
男は今回もその寸前で手の動きを止めた。
ナウシカもかろうじて残された意識の中で、それを感じ取る。
意識が消えかかってしまう手前で光と音の増加はストップし、
同時に意識が薄れるのも止まる。
かろうじて残った意識の中、
まずは今回も意識が消えてしまわなかったことに安堵し、
光と音、そして意識それぞれの増加と減少の逆転が始まるのを祈るように待つ。
この間、ナウシカの外界と通ずる感覚は全て遮断されており、
身体を動かす事も出来ない。
ここから無事に減少に転じてくれるまでの1秒1秒が非常に長く感じられ、
たまらなく恐ろしい。
だがしばしの後、今回も無事光と音は減少し初め、意識が戻り始める。
一旦こうなると、後は急速に戻れるのだ。
ところが今回は違った。
ホッとしたのもつかの間、なんと再逆転が生じた。
(何? 一体どういうことなの??)
未経験の悪い現象に心底恐怖するが、再び事態は回復に向かい始める。
(どういうことだったのかしら。何度も危険な状態に遭っているせいなのかしら…)
少しホッとしてそう考えていると、再び悪化。
(エッ! また!! どういうこと? お願い、早く戻って! お願い!)
気持ちばかり焦るが、自力で何をすることもできない。
そしてこんなことが数度繰り返された。
恐ろしい。ただただ恐ろしい。
実はこれは、男の単なる戯れであった。
これまではギリギリのところで指を引き抜き、回復させていたのだが、
今回は指を抜かず、少しの間を置いて再び刺激を与えていた。
指が動いていない間、ナウシカは死んだように動かない。
だがちょっと指を動かすと、カエルの足に電流を流したように
突然びくびくと動き出すのだった。
やっとのことで無事戻ることが出来たと思ったら、
例によってその身体にクロトワが手を滑らせる。
「アァッッッ!!」
クロトワの手が偶然臍に触れた時、一際大きく反応してしまった。
「へえ~。ここ触られるのがそんなに気持ちいいのか。ん~?」
「ヒァッ! だっ! ヤメッ! アアッ!! やめええええええ!」
手が尚も臍とその周りを愛撫しようとするのを嫌がり、
ナウシカは反射的にクロトワに背を向け、丸くなった。
その背中は激しく身体を捩り続けたせいで所々赤く腫れている。
「あんまりよがり狂うもんだから、こんなに赤くなってるじゃねぇか、可哀想に。」
そう言うと、クロトワはナウシカの華奢な背中に指を滑らせる。
「ひゃああああああああっ!!」
たったそれだけのことで、丸めていた身体を今度は反対側にのけ反らせ、
何度も達してしまう。
「何つーお姫様だ。こんなトコ、谷の奴らが見たらどんな顔するかね?]
「いっ、いい加減にしてえぇっ!」怒気を含んだ叫び。
尚も背中に触れようとするが、ナウシカはそれを拒み、
これ以上背中を触れさせまいと仰向けに戻り、両腕で臍の周辺を覆い隠す。
だが、こんなリアクションを見たクロトワがそれをあっさり許すはずがない。
ナウシカをうつ伏せの状態にするよう部下に命じる。
「キャッ! いやぁ!」
言葉では拒否をするが、本当に拒絶するとどうなるのかは分かっている。
嫌がりながらも大の字でうつ伏せの状態にされ、男たちに四肢を掴まれ、
肩甲骨の浮いた背中が無防備に晒される。
そしてクロトワは、両手の指でぞわぞわと背中をなぞり始めた。
所々に擦過傷ができており、刺激に対して非常に敏感になっていることもあり、
広い背中全体がゾクゾクと絶頂の波を運んでくる。
「うあっ! あ! あ! あ! あ!」
四肢をガッチリ固定された状態で、それでも身を捩り必死に耐える。
「まったく女って奴は…どこまで業の深い生き物なのかねぇ」
うつ伏せになっているせいで、身体を動かす度、
胸が、下腹部が、もう、どうしようもない位切ない。
今ナウシカは両面から強烈な責めを受けていた。
そして、ナウシカはいつしか無意識のうちに、身体をシーツに擦り付けていた。
擦り付けるといっても、たった数度、ほんの僅かに動かしただけなのだが、
ハッとしたナウシカは、自らの行為にショックを受け、なんとか動きを押し留める。
激しい罪悪感。
(こんなイケナイこと…)男たちに気付かれてしまっただろうか。
クロトワがナウシカの耳元に顔を近づけると、
わざわざ周囲の男たちにも聞こえるような声で言った。
「お前、今シーツに身体擦り付けてただろ?」
顔が熱くなり、赤くなったのが自分でも分かる。
やっぱり見られていた。最悪だ。もう死んでしまいたい。
「やっぱりお前は淫乱だ。
そりゃそうだよなぁ。裸見られただけで濡れちまうんだもんなぁ」
呆れたように苦笑しながら、尚も背中に、真っ白なうなじ、太ももにも手を這わす。
その度にナウシカの身体は律儀に反応してしまう。
「まったくけしからんお姫様だなぁ。
こんなトコ触られただけでこんなにイっちまうなんて。
それじゃ、あんなトコ触られたらどうなっちゃうんだ?」
そう言うと、うつ伏せ状態でつぶれた胸に手をまさぐり入れる。
「キャッ、イヤッ!」
二の腕で阻止しようとするが、時既に遅し。
どうにか両手をこじ入れると、グッと揉みしだく。
「ハアアアアアアッ!!」
意図せず上体が反り返り、ベッドに押し潰されていた双丘が露わになる。
クロトワは、既に勃起しきっていたその先端をキュッと摘む。
性感帯と無関係な部位ですらイってしまう状態で、性感帯を刺激されてしまった。
これは辛い。
「カ、、、、ア、、、ア、、、」
目が大きく見開き、ニヤニヤと自分を眺める兵の1人と目が合ってしまう。
思わず目を逸らすが、その視線をどこに向けても、
そこにはナウシカのあられもない姿を見詰める好奇の目、目、目…。
「そんな悶えちゃって。はしたないぞ、お姫様」
「まったく、親の顔が見てみたいぜ」
「スマン、俺が殺しちまったからもう見れないんだわ」
牢内にドッと爆笑が起こる。ナウシカを掩護してくれる者など誰もいない。
悔しさに唇を噛み締め涙するが、生も根も尽き果て、
もう言い返す気にもなれない。
そしてしばしの休息。
もはやナウシカには、男の行為を止める術は何一つ浮かばない。
この男は一体どこまで自分の身体と精神を弄べば気が済むのか。
そう考えた時、ふと恐ろしい疑念が沸き起こる。
クシャナとの約束では、
「自分が言いなりになる。その代り、谷の人たちには一切手出ししてはならない」。
という双務契約になっていた。
クシャナはこの約束を自分の命令として配下に課し、
男たちはここまでそれを忠実に守っている。
クロトワの言葉はまったくあてにならないが、
クシャナにこの約束を守る意思があることは分かる。
自分が約束を果たせている間は、その引き換えとして、
「谷の人には一切手出ししない」という義務を相手にも負わせているが、
自分が約束を果たせなくなってしまった場合、その枷が外れてしまう。
そうしたら、谷の女たちを何人も船に連れ込んで、
やりたい放題になってしまう。
むしろこの男たちにとっては、枷がなくなる方が、
つまり自分が約束を果たせなくなってしまった方が都合が良いのだ。
今まで自分は、指責めの最中に偶発的な事故が発生して
気が触れてしまう危険性を心配していた。
だが、クロトワにとって自分は、あっけなく打ち負かされ、
しかもそれを部下達の面前で口にするような女なのだ。
そう考えると、クロトワが自分を無き者にしようと考えるのは、
むしろ自然な流れなのではないか。
いや、実はもう既に自分を狂わすか殺すと決めており、
今まさに嬲り殺しの最中なのではないか?
そう考えれば、一向に指責めが終わる兆しがないのも合点がいく。
戻れるまでの時間が徐々に長くなっていること、
戻れると思ったら、またあちらに行ってしまいそうになるという、
恐ろしい現象が生じ始めたことからしても、
自分の身体はこの危険な凌辱で確実に蝕まれている。
もしかしたら、これもクロトワにとっては織り込み済みなのではないか。
ふと、「明日の朝、同じセリフが言えたら褒めてやるよ」
というクロトワの言葉を思い出す。
あれは、「どうせ明日にはもうお前はしゃべれない」という皮肉なのではないか。
飽くまで推測でしかないが、心底ゾッとした。
そして6回目。
未だ朦朧としていたせいで、
一瞬感情を理性で抑え込むことが疎かになってしまい、
男の指が自身に侵入してきた時、それを拒み、横臥して身体を硬く丸めてしまった。
「ほう、拒否するってのか。ま、こっちはそれでも構わんが?」
ハッとしたナウシカは、すぐに身体を開く。
もはや男の言いなりになり、涙に濡れる瞳をギュッと閉じ、耐えるしかない。
(お願い、もう許して!)そう心の中で叫ぶことしかできない。
指責めの最中、ナウシカは両手で自分の胸や腹をまさぐるようにして
必死に耐えていたが、それだけでは足りなくなり、
ついには一方の手で乳房をぎゅっと握り締めるようになってしまった。
強く握り締める手から溢れた乳房が赤く染まる。
そしてしばしの回復時間。
絶頂の余韻が去っても、ナウシカは荒い息をするだけで何もしゃべろうとしない。
クロトワはそんなナウシカの顎を掴んで自分の方を向かせる。
「流石のお前も大分へばっちまったな、オイ。
辛いんだろ? 今からでも他の女にバトンタッチするか?」
(…ダメ! それだけは絶対ダメ!)
虚ろな目のまま無言で頭を振る。
「そうか。それじゃあ、また天国に連れてってやるからな? 存分に楽しめ。」
もう自分ではどうすることもできない死への序曲という恐怖、そして
蓄積する極度の負荷が相まって、ついにナウシカの心は完全に折れてしまった。
回復を待つ間、ナウシカは
「・・・どうかおゆるしください・・・もうおやめください・・・おねがいです・・・」
とうわ言のようにブツブツと力なくつぶやくばかりであった。
しかし、そんなナウシカの悲痛な訴えにちっとも聞く耳を持たず、男は更に7回、8回と責めを許そうとしない。
とうとう回復を待つ間は何も言わずにグッタリ動かなくなってしまう。
この待ち時間の間、数人の男たちから内股に刺青まで施されてしまう。
トルメキアには、自国の奴隷を識別するために、
背中に紋章の刺青をする習慣があるのだが、
男たちはそれをわざわざ股を左右に広げて初めて見えるようにを施したのだった。
だが、施される本人は全くそれに気が付かない。
それでも再び男に指を入れられると、
まるで電気仕掛けのおもちゃにコードを挿したかのように乱れ狂う。
耐えるためにぎゅっと握りしめていた乳房は、繰り返される激しい責めに、
更に力を増して握り締められ、それは赤から紫に変わった。
そして、ついには爪を立てるようになってしまう。
文字通り狂わんばかりの快感が与えられたこと、
ナウシカが幸か不幸か、非常に発達した身体能力を有していることが相まって、
その爪は容赦なく食い込んでゆき、ついには握り締めた乳房から、そして腹からも、
鮮血が滴り始める。
狂気の淵に幾度も誘われたせいで、体中の穴という穴から体液を流し、
加えて自傷して流血し、獣のように叫び続けるナウシカ。
そしてギリギリの狂気の淵に追い詰められることついに9回、
ここでナウシカの身体に危機的な変化が現れる。
牢内に響き続けたナウシカの動物的な叫びが、
まだ指責めが始まったばかりだというのに突然ピタリと止まり、
そして自分の喉を掻き毟り始めたのだ。
「息が詰まったな。こうなるともう自力で呼吸を戻すことはできない。
助けてやらずにこのまま放っとくと、もうそれっきり窒息死でお陀仏だ」
こうしてナウシカは、生か死か、命の行方さえも敵兵に完全に握られてしまう。
みるみる唇は紫に、顔は黄土色変わり、
喉を掻き毟る行為はいよいよ激しさを増す。
「たった9回でダウンか。随分と強いお姫様だって聞いてたから
もっと頑張るかと思ってたんだけどな。拍子抜けだぜ」
この状態になると、息を吹き返しても、指責めを再開すると、
すぐに息が詰まってしまうことを男は経験から知っていた。
だからこの状態になると、その日はそれでお終いであり、
最初からこの状態がゴールと決まっていた。
だから、たかだか数回やそこらで泣いたり謝られたからといって、
そこで止めてしまうなど、最初からあり得なかったのだ。
“指の男”はこれまで何人もの女をこの状態にしてきたが、
こうなるまでの平均はおおよそ11回前後というところであり、
最多記録は某部族の名うての娼婦の15回であった。
「今度のお姫様は特別だ」とか、自軍のコマンド兵をあっという間に殺害した
という噂を聞いていた男は、少なくとも13回はいくだろうと考えており、
ひょっとすると記録を更新するかもしれないと密かに期待していた。
男の関心は記録を更新するかどうかに向けられていたと言ってよい。
ところが実際にやってみれば、10回にも届かずダウン。平均にも及ばなかった。
だからこれは男にとって拍子抜け以外の何物でもない。
もっとも、ナウシカが昨日から酷い凌辱を受け続け、
弱り果てていたことを計算に入れていなかったのだが。
男の勝手な期待はともかく、ナウシカはこれでやっと、
指責めと、気が触れてしまう恐怖からから解放された。
しかしそれと引き換えに、今度は死の淵に追い詰められてしまった。
ナウシカが正気を失っても敵兵たちはちっとも困らないのと同様、
王を殺害した男たちにナウシカを生かさねばならない義理はない。
ナウシカの生殺与奪はそんな男の手の内にある。
ナウシカは今走馬灯を見ていた。
それにしても。
あと数秒で気がふれてしまう瀬戸際に何度も何度も追い詰められるとは、
あと数秒放置しただけで死んでしまう忌野際まで追い詰められるとは、
ナウシカがこれほどまでに深刻な状態に追い詰められることを
谷の一体誰が想像し得たろう。
ナウシカ自身、船に乗った時には、否、つい先刻まで、
自分がそんな深刻な事態に陥ってしまうなどとは夢にも思わなかった。
やがて喉から胸にかけて幾筋もの血が流れ出す。
血が出て尚激しく掻き毟っていた紫の爪はやがて震え始め、
どんどん力が無くなってゆき、ついにはダラリと垂れ下がってしまった。
あとほんの少し放置しただけで、良くても脳に重大な損傷が、
悪くすれば、ナウシカはもう2度と再びその目を開けない。
昨晩ナウシカが大勢の兵たちの心を掴んだのを見ていたクロトワが言う。
「脆いもんだよな。たった2本の指で刺激されれば、
よがり狂ってそのまま廃人になっちまう。息がつまればあっさり死んじまう。
ちょっと評判のお姫様だからって、特別なことなんか何もありゃしない。
コイツもただのか弱い、そしてとびっきり淫乱なメスってことさ。」
男はグッと気道を確保して人工呼吸をしてやる。
ヒュッと笛のような音がして、ナウシカは激しく咳き込んだ後、
まるで空気を貪るかのように喘ぐ。
そしてどうにか呼吸が落ち着くと、もうグッタリ動かない。
クロトワは、これで指責めは終了であることを宣告する。
見に来ていた大勢の男たちはそれを聞いてゾロゾロと牢から出て行った。
真っ白な美しい肢体は、正気を保つため、命を保つため、首から乳房、
そして腹にかけて自ら付けた傷で血だらけになっていた。
ところどころ深い傷になってしまっており、
すぐにも治療と静養が必要なのは明らかだが、ナウシカにとって悲運だったのは、
この場にサディスティックな男が数人居残っていたことだった。
ナウシカの断末魔と血を見て異常な興奮状態に陥った男たちは、
己の性的欲情を満たすためナウシカに襲い掛かる。
血だらけで横たわるナウシカに群がる男たちは、
さながら愛らしい雌鹿が肉食獣の集団に倒され、喰われてしまうかのようだ。
男たちは己の分身をナウシカの性器に、アヌスに深々と突き立てる。
瀕死の状態に陥ってしまったナウシカは意識が朦朧としており、反応しない。
それを由としない男たちは激しいピストン運動を繰り返すが、
ナウシカの身体は弛緩し切っており、ただぐにゃぐにゃと動くだけだった。
「ちっとは鳴いてみろ、おらっ!」
ますます激しくナウシカに叩きつけるが、反応は相変わらずない。
絶頂に達し、思い切り浴びせ掛けたものの、無反応なのが気に喰わない。
カッとなった1人の男は、ベッドに立てかけてあった剣を掴む。
クロトワが戯れにナウシカの首筋に当てがった、あの剣だった。
「おい、もう止めとけ」
さすがに他の男たちが制するが、男は剣の柄をナウシカの性器に当てがうと、
そのまま一気にゴリッと押し込んだ。
「ゴアッ!! ゴガア゛ーーーーーーーッ!!」
それまでグッタリと動かなかったナウシカの突然の叫び。
男は尚も柄を強引に奥へと押し込み、
ついには柄の部分がほぼ全て見えなくなるところまで捻じ込んでしまった。
一応棒状であるとはいえ、非常に傷つきやすいデリケートな部分に挿入するには、
それはお世辞にも適切とは言い難い代物であった。
その大きさも、形も、昨日まで何も知らなかったナウシカの身に余る。
ところが、男は無理やり押し込んだだけでなく、
更にグリッ、グリッ、と捩じった。これはただでは済まない。
更に叫び声を上げるナウシカは、今自身の内奥が裂けたのをハッキリ自覚した。
慌てて男たちがナウシカからその男を引き離し、軍医を呼ぶ。
柄を抜こうとするが、抜こうとする激烈な痛みで膣は更に絞まり、
絞まったことによる痛みが更なる硬直を呼ぶ。
深々と咥え込まされた柄はもう男の力でもビクともしない。
まるで背骨が飛び出てしまったかのように一体化している。
「まさか本当に親子揃って仲良く同じ剣の餌食になるとはな。」
クロトワは苦笑した。
その間もナウシカは激しい痛みから叫び声を上げ、のた打ち回っていたのだが、
再び息が詰まってしまい、人工呼吸を施される。
相当衰弱しているため、今度はショック死の危険まで出てきた。
結局、柄を抜くには麻酔を使うしか方法がなかった。
本当は好ましいことではないのだが、立て続けに強力な麻酔を使い、
ようやく膣の絞まりが解け始めたところでズルリと柄を引き抜く。
その身体は首から下腹部まで血みどろで、もうグッタリと動かない。
異物挿入によるダメージは酷いものだった。
膣内に裂傷があり、大量の出血があったのだが、
船内の器具では応急的な処置しかできない。
-自分が狂おうが死のうが、この男たちにとってそれはさして重要なことではない-
ナウシカのこの予想は当たっていた。
使い物にならなくなったら、代わりを捕まえてくればよい。
トルメキア兵にとってそれは、これまで散々繰り返してきた事だった。
ナウシカに関しても、すぐに壊してしまうのは惜しいというだけで、
基本的にはそういう認識であった。
ところが今日の午後の作業が終わった後、クロトワはクシャナに呼ばれた。
「ナウシカに大事ないように」という厳重なお達しであった。
昨晩はナウシカに対して激しく嫉妬したクシャナであったが、
流石に優秀な指揮官だけあって、すぐに冷静に考えを切り替え、
この谷を併合した際のこと、そしてその後の周辺国との交渉といった
先々まで見通していた。
「あの女はその際貴重な駒として使える可能性がある。」
これがクシャナの判断だった。
ここに留まる間は男たちがナウシカをどう扱おうが構わない。
しかし、今後駒として存分に働けないようでは困る。そのための念押しだった。
参謀であるクロトワにとって、これは面白い話ではない。
武力で負かされ、今度は自分の本職までも後れを取ってしまったように感じ、
痛くプライドを傷つけられた。
クロトワが牢にやって来たのはその後のことであった。
自身の虫の居所が悪いところでナウシカと相対し、売り言葉に買い言葉で
この事態まで発展してしまったのである。
「コリャまずいな…」
クロトワにとっても想定外のアクシデントだったとはいえ、
ナウシカの幼い性器は二日目の晩にして破壊されてしまった。