「くそっ……!」 高木藤丸はノートパソコンの淵を指で叩きながら舌打ちした。 この数分でもう4度めだ。 苛立ちを抱えているのは明らかだった。 そこには天才ハッカー『ファルコン』の面影はない。 だがそれも仕方のない事だった。 『水沢響は生きている』 恋人のクローンを目の前で銃殺された後、藤丸はその言葉だけを頼りに、 どこかに監禁されているであろう自らの恋人を探し続けた。 だが未だに、何の手かがりも掴め […]